シラバス情報

授業科目名
国際経営論
開講年次
3年
開講年度学期
2025年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-MN-303L
担当教員名
佐藤 彰彦
担当形態
メディア授業
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
経営管理論、経営組織論、経営戦略論
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 授業の目的は、「国際経営の目線でものごとをみるとは、どういうことなのか」を自分ごととして捉えてもらうことです。                                そのために、受講生が国際経営や多国籍企業にかんするさまざまな概念や理論の要点を理解し、今日の企業が抱える課題や将来について考察できる視点を修得することを目的としています。                                          (受講生の到達目標)
(1)国際経営や多国籍企業にかんする知識、基礎理論の要点を説明できる
(2)日本企業の海外立地展開やグローバルな事業活動の実態について説明できる
(3)日本の多国籍企業の海外での事業活動の課題についての考えを自らの言葉で論じることができる
【授業の概要】
 授業では、日本の国際経営論の考え方をベースに、企業の海外進出や立地の論理を検討しながら、学問的背景となる欧米の多国籍企業論のエッセンスも紹介します。                                                      現在、日本では多くの企業が海外進出を行なって、グローバルに事業活動を展開しています。企業が立地する場所は、欧米諸国からアジアまで地理的に広大で、展開する事業(業務)内容も、製造から販売まで幅広く多岐にわたります。
 海外に事業活動を展開する企業は、一般的に多国籍企業と呼ばれます。多国籍企業は「なぜ」、「どんなプロセス」や「戦略」で海外立地を行ない、立地先の国でどのような「組織」をつくって事業活動を行なっているのでしょうか。                                                                                    経営学的にとらえると事業活動がグローバル化するということは、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)が国境を越えることを意味します。企業は、国境を越えた先の経営環境の中で経営組織を作り、経営戦略を立て、経営管理をしています。今の日本では大企業から中小企業にいたるまで多くの企業が海外に立地を展開しているため、働くすべてのひとにとって国際経営の視点は欠かせません。この講義で取り上げる国際経営の理論やグローバル経営の実態に触れることで、将来みなさんが必要になってくる国際経営のものの見方を「自分ごと」として捉え、その面白さや難しさを感じてもらえればと思います。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)                                                                      第1回 イントロダクション:講義概要と内容、進め方、評価方法等についての説明(受講生は必ず出席すること)
第2回 国際経営の基礎概念(1) 企業の国際化とは、国際経営の問題
第3回 国際経営の基礎概念(2) 経営と国境
第4回 国際経営の基礎概念(3) 国際化の要因−なぜ国際化するのか
第5回 国際経営の基礎概念(4) 国際化のプロセス−どのように国際化するのか
第6回 国際経営の基礎概念(5) 国際ポートフォリオ戦略(1)−個別の国の選択の論理
第7回 国際経営の基礎概念(6) 国際ポートフォリオ戦略(2)−ポートフォリオ全体のパターンの選択の論理
第8回 国際経営の基礎概念(7) 研究開発の国際化
第9回 国際経営の基礎概念(8) 多国籍企業の組織デザイン
第10回 多国籍企業論(1) 多国籍企業とは:多国籍企業についての様々な定義
第11回 多国籍企業論(2) ハイマーによる多国籍企業の所有優位性、対外直接投資の相互浸透論
第12回 多国籍企業論(3) ヴァーノンのプロダクトサイクル論、米系多国籍企業の立地行動
第13回 多国籍企業論(4) 内部化に関する多国籍企業論
第14回 多国籍企業論(5) ダニングのOLIアプローチ、 ポーターのグローバル競争戦略論
第15回 総括:日本企業のさらなる国際化のために                                                 (授業の方法)
 授業の方法は「講義」です。基本的にスライドの資料を用いて解説します。資料は授業内で提示しますが、オンラインでも適宜配信します。毎回、授業後にオンラインでミニ確認問題を出します。ミニ確認問題は、授業の復習となる問題を出し、受講生には次の講義までに解答してもらいます(可能な限りフィードバックをします)。また、授業の序盤と終盤には、小レポートを出します。小レポート課題の詳細は授業中にお伝えしますが、各自の経験や授業の内容を踏まえた企業の国際事業活動にかんする自分自身の考えを論じてもらう予定です。
テキスト・参考書
(テキスト) 使いません。                                                        (参考書)                                                                                                 【参考書 1】伊丹敬之・加護野忠男、『ゼミナール 経営学入門』、日本経済新聞社
【参考書 2】鈴木洋太郎・桜井靖久・佐藤彰彦、『多国籍企業の立地論』、原書房
【参考書 3】小田部正明、栗木契、太田一樹(編著)、 『1からのグローバル・マーケティング』、碩学舎
【参考書 4】中川功一・林正・多田和美・大木清弘、『はじめての国際経営』、有斐閣
【参考書 5】川端基夫、『消費大陸アジア: 巨大市場を読みとく』、筑摩書房
※基本的に講義で使うスライド資料は、参考書を用いて作成します(全て購入する必要はありません)。
授業時間外の学修
(事前学修) 次回の授業内容の予習:授業時間と同程度の時間 [約90分]
・シラバスやノート、配布資料を読んで予習し、わからない単語や専門用語を調べてください。

(事後学修) 授業で学習した内容の復習:授業時間と同程度の時間 [約90分]
・毎回授業後にオンラインで出される復習課題(ミニ確認問題)に取り組んで下さい。また、わからないことや疑問に思ったことがあれば、次回以降の授業で質問してください。
成績評価の方法と基準
・知識・理解   70% [内訳:ミニ確認問題70%] : 到達目標(1)(2)と関連
・汎用的技能   0%
・態度・志向性 30% [内訳:小レポート30%] : 到達目標(3)と関連                                  ※期末試験は行ないません。
備  考
・受講生の皆さんの状況をみながら授業を進めていきます。授業計画はあくまでも暫定的なものであり、授業内容は変更の可能性があることをご承知おきください。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容