アジア経済事情

3年

2025年度前期

2単位

E-EC-311L

神﨑　稔章

単独

教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目（高等学校　商業）
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・商業の関係科目

マクロ経済学１、マクロ経済学２

(授業の目的)
アジア経済事情では、アジア諸国についての多角的な知識を身に着けることを目的としています。アジア経済の代表的元首の変遷や、アジアの経済発展に寄与した政策、アジア通貨危機等、アジア地域にとって特有な現象を経済や制度及び歴史的観点から説明できることを目的とします。また、様々な統計を用いて、単線的ではないアジア諸国の動向や、国際化の中で我が国との関わりを説明できることも目的とします。
(受講生の到達目標)
到達目標1:アジア各国の代表的な元首の名称と彼らが実施した政策、現状及び課題を説明できる。
到達目標2:アジア資本の発展要因やアジア通貨危機や金融危機の要因と問題を説明できる。
到達目標3:アジアの発展を、GDPや為替や金利や株価及び国際収支に関する統計や数値から読み取ることができる。

我が国の足取りを歩むアジアを再発見すると同時に、彼らのダイナミズムを理解する上で必要な基礎知識を学びます。具体的には、アジア各国の元首の名称と動向、アジアの経済発展の為の政策や課題、アジアの経済発展に関する人口問題、アジア通貨危機などの事情等の他、アジア各国(我が国・中国・NIES ・ASEAN・インド等)の経済規模や市場を統計データを用いた講義を行います。多角的なアジア諸国の動きを捉える為、その歴史、現況、課題を、産業の視点やマクロの視点、さらに国際的な動きから紹介します。

（授業計画）
【授業計画と授業の方法】
第1回　アジアを学ぶということ(講義)
　　　　　各国の元首等とその背景
第2回　アジア概観(講義)
　　　　　自然や文化・アジア経済の奇跡・雁行経済型発展・アジアの成長要因・チャイナプラス1
第3回　アジアを興隆させた直接投資や貿易の拡大(1)(講義)
　　　　　アジア経済と世界経済の動向・直接投資の5つの目的・直接投資受入れの要因・直接投資と工業化の進展
第4回　アジアを興隆させた直接投資や貿易の拡大(2)(講義)
　　　　　アジアの貿易拡大・地域経済統合・自由貿易協定
第5回　アジア通貨危機(1)(講義)
　　　　　タイの通貨暴落とアジア全般への伝播・金融グローバル化の進展と東アジアへの資金フローの変調・バブルの膨張と崩壊の過程
第6回　アジア通貨危機(2)(講義)
　　　　　国際的資金の多様化・IMFの処方箋と通貨危機への各国の対応
第7回　アジア通貨危機とリーマンショック(講義)
　　　　　貯蓄投資差と経常赤字・サブプライム、証券化商品・リーマンショックとアジア貿易への影響
第8回　成長シナリオを模索するNIES(1)(講義)
　　　　　韓国経済・台湾経済
第9回　成長シナリオを模索するNIES(2)(講義)
　　　　　香港経済・シンガポール経済・NIES諸国の課題
第10回　ASEAN経済(1)(講義)
　　　　　タイ経済・マレーシア経済
第11回　ASEAN経済(2)(講義)
　　　　　インドネシア経済・フィリピン経済・ASEAN諸国の成長メカニズムと課題
第12回　脆弱性を克服するベトナム、グローバルパワーを持つインド(講義)
　　　　　メコン川流域開発計画・ドイモイ政策・インドにおけるIT産業とモータリゼーション
第13回　中国経済の発展と課題(講義)
　　　　　毛沢東体制・改革開放政策・南巡講話・郷鎮企業・人民元相場・はじご理論
第14回　アジアと日本企業(講義)
　　　　　アジア金融市場と邦銀の国際展開・ODA
第15回　企業の為替リスク管理
　　　　　インボイス通貨・パススルー

(授業の方法)
授業は15回全て、パワーポイント等で作成されたスライドを用いて教員が講義する形で行います。必要に応じて、補足等は板書します。講義資料は事前にkyouzaiフォルダで配布します。講義中に復習問題を出します。

テキスト・参考書は指定しません。Teams上に講義資料を配布します。

(事前学修)
事前配布している講義資料を読むことにより予習を行ってください。

(事後学修)
講義時間中に出題する練習問題に取り組んでください。また、次回講義時の解説により、練習問題の回答が間違っていた場 合や理解が足りないと感じた場合は、復習してください。

(成績評価の方法)
期末試験(100%) で評価します。

(成績の基準)
到達目標1:アジア経済に関する考え方や専門用語に関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ている。
到達目標2:アジア資本の発展の要因や、アジア通貨危機や金融危機の要因と問題を問う問題に正しく説明することが出来ている。
到達目標3：GDPや為替や金利や株価及び国際収支に関する知識を問う問題に正しく答えるこ とが出来ている。

新聞を読むなど日頃から自主的な学習を行ってください。