シラバス情報

授業科目名
多変量解析
開講年次
3年
開講年度学期
2025年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-EC-301L
担当教員名
岡本 隼輔
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
基礎数学I、統計学I、計量経済学
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
為替変動の時系列データや、コミュニティの中でどのようなグループが形成されているか、といった話は、グラフ理論と呼ばれるような点と点を線で結んで出来上がるネットワークの図などで分析されます。これらは広い意味で、数値化されたデータの中から特徴を捉えて評価するという点で共通しています。将来的に学生は、経済、社会の様々な現象に着目して卒業論文を制作することになりますが、そのために必要なスキルや知識の一部を身に着けて、自身の手で分析できるようになることを目的とします。

(受講生の到達目標)
到達目標1; 計量経済学で学ぶことに加えて、新たに複数の要素に着目した経済的関係の分析を行う知識を身に付ける。
到達目標2; 実際に計算ソフト等を用いて、複数の経済的要因についての分析を行えるようになる。
【授業の概要】
小西貞則著『多変量解析 —線形から非線形へ—』等を参考書とし、多変量解析について学ぶための授業とします。具体的には、多変量を扱う回帰モデル、主成分分析、クラスター分析等について学びます。各テーマの前半では基本的な理論を理解することを、また後半では実際の数値例を基に計算することができるようになることを目指します(実際の計算については、コンピュータの計算ソフトを用いることも想定されます)。卒業論文制作や経済事象への理解を意識し、経済学を学ぶ者として経済分析を実証的に行うことができるようになることを目的とします。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 イントロダクション
 講義全体の外観把握
第2回 数学的表現の確認・基礎(1)
 微分・積分の復習
第3回 数学的表現の確認・基礎(2)
 線形代数の復習
第4回 線形回帰モデル(1)
 2変数間のモデルについて
第5回 線形回帰モデル(2)
 多変数間のモデルについて
第6回 線形回帰モデル(3)
 数値例を基にした演習
第7回 非線形回帰モデル(1)
 非線形のモデルについて
第8回 非線形回帰モデル(2)
 数値例を基にした演習
第9回 主成分分析(1)
 主成分分析について
第10回 主成分分析(2)
 数値例を基にした演習
第11回 クラスター分析(1)
 クラスター分析(階層的分類法)について
第12回 クラスター分析(2)
 クラスター分析(非階層的分類法)について
第13回 クラスター分析(3)
 数値例を基にした演習
第14回 ネットワーク情報と多変量解析(1)
 経済的取引等のネットワークを示すデータについて
第15回 ネットワーク情報と多変量解析(2)
 数値例を基にした演習

(授業の方法)
第1回~第15回:
PPTによるスライドを用いての講義(前半)
講義内容の振り返りを兼ねた小テスト(後半)
テキスト・参考書
小西貞則著『多変量解析入門 —線形から非線形へ—』岩波書店
授業時間外の学修
(事前学修)
第1回: シラバスや参考書に目を通し、多変量解析への関心を高めてください。
第2回以降: 配布資料の予習を行ってください。

(事後学修)
第1回: イントロダクションで得た本講義に関するキーワードや情報を、自身で調べてください。
第2回以降: 講義で配布される小テスト(練習問題)に取り組んでください。
また、卒業研究などで、この授業で学んだデータ分析手法を用いることを検討してください。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
1) 小テスト(30%)
2) 期末試験(70%)

(成績評価の基準)
1)は、上記「到達目標1」「到達目標2」により行います。
2)は、上記「到達目標1」「到達目標2」により行います。
備  考
計量経済学で学んだ知識を遣う場面が多いですが、必要に応じて再確認しつつ授業を進めます。
また、複数回実施する小テストで講義内容を振り返ると理解が深まると思います。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容