シラバス情報

授業科目名
金融論1
開講年次
2年
開講年度学期
2025年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-EC-207L
担当教員名
神﨑 稔章
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(高等学校 商業)
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・商業の関係科目
この授業の基礎となる科目
経済学入門1(ミクロ)、経済学入門2(マクロ)
次に履修が望まれる科目
金融論2
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
本講義の目的は、金融を理解する上で必要な基礎的な知識を学ぶことにです。また、金融論1では、基礎はもちろんのこと、金融の考え方をより専門的に学んでいくうえで必要な現代社会の動向を踏まえた金融の制度的側面や理論的側面への知識を身に着けることを目的としています。加えて、金融は理論や法制度、データや歴史現状等、様々なトピックを有することを特徴としており、受講生が金融現象やそのエッセンスに関心を持ちつつ、金融の考え方を体系的に理解できるようになることを目指します。

(受講生の到達目標)
到達目標1:貨幣や決済、金融機関の仕組みや、金融制度改革等の制度を説明できる。
到達目標2:金融データの読み方や傾向を説明できる。
到達目標3 :金融理論を図表や計算を用いて説明できる。
【授業の概要】
金融論1では、貨幣や金融機関の役割、経済循環と金融、金融機関を主体とする金融経済の必要な仕組みを説明します。キャッシュレス決済や暗号資産等、経済や技術の進展とともに、金融の世界でも多くの変化が出てきています。また、金融データの読み方を学びます。例えば、世の中で用いられる貨幣量を理解する上で必要なマネーサプライや実体経済と密接な金融的側面を理解する上で必要な資金循環や資金過不足の動向を学びます。加えて、わか国の金融取引に関連する法律や行政、監修による制度的側面の変遷を学びます。こうした現実や制度の学びにとどまらず、金融取引の存在理由、情報の非対称性、金融仲介や流動性、信用創造等の金融理論も学ぶことで、金融現象をより深く把握できるよう促します。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 金融の位置づけ(講義)
     金融的流通•産業的流通・金融取引の意義
第2回  貨幣とは?(1)(講義)
     貨幣の機能•商品貨幣•金属貨幣
第3回  貨幣とは?(2)(講義)
     現金通貨と預金通貨•電子マネー•決済の仕組み
第4回 フィンテック(講義)
     DLT・暗号通貨・国際送金
第5回 国民経済計算勘定(1)(講義)
     三面等価• GDPとGNP
第6回 国民経済計算勘定(2)(講義)
     GNPデフレーター•貯蓄投資の均衡条件•対外収支と国民経済
第7回 我が国の金融システムとその特徴(1)(講義)
     金融システムの機能•貯蓄投資差と資金過不足•資金循環勘定の仕組み
第8回 我が国の金融システムとその特徴(2)(講義)
     分業主義•専門銀行主義•メインバンク制•金融の国際化•金融ビッグバン
第9回 金融仲介機関の役割と流動性の供給(1)(講義)
     間接金融と直接金融及びリスク負担•資産変換機能•逆選択•モラルハザード・情報生産機能
第10回 金融仲介機関の役割と流動性の供給(2)(講義)
     ハイパワードマネー•信用創造
第11回 金融機関の役割と種類(1)(講義)
     金融仲介機関と日本の銀行
第12回 金融機関の役割と種類(2)(講義)
     証券会社•保険会社•ノンバンク・公的金融機関
第13回 金融再編とメガバンク(講義)
     合併と金融持株会社•邦銀の収益•手数料収益•信用保証
第14回 地域を巡る資金の流れ(講義)
     域際収支と国際収支•移出と移入
第15回 インターネット銀行(講義)
     決済手段の多様化•インターネットバンキングとモバイルバンキング•電子商取引•金融犯罪と対策


(授業の方法)
授業は15回全て、パワーポイント等で作成されたスライドを用いて教員が講義する形で行います。必要に応じて、補足説明等は板書します。講義
資料は事前にkyouzaiフォルダやポータル等で配布します。講義中に復習問題を出します。
テキスト・参考書
(テキスト)
事前にTeamsで授業資料を配布します。

(参考書)
家森信善『金融論(【ベーシック+】』中央経済社。 吉野直行『改訂版 社会と銀行』放送大学教育振興会。鎌田康一郎『金融論』新生社。
授業時間外の学修
(事前学修) 事前配布している講義資料を読むことにより予習を行ってください。また、必要に応じて参考書を参考にしてください。

(事後学修) 講義時間中に出題する復習問題に取り組んでください。また、次回講義時の解説により、練習問題の回答が間違っていた場合や 理解が足りないと感じた場合は、復習してください。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
期末試験(100%)で評価します。

(成績の基準)
到達目標1:金融論の考え方や専門用語に関する知識を説明出来ている。
到達目標2:金融データに関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ている。
到達目標3:金融取引、貯蓄投資差、資金循環、信用創造、情報の非対称性等に関する知識を問う問題ついて正しく答えることが出来ており、また計算問題が解けている。
備  考
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容