シラバス情報

授業科目名
特別活動及び総合的な学習の時間の指導法(院)
開講年次
1年
開講年度学期
2025年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
C-TL-302L
担当教員名
島田 喜行
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための必修科目
科目区分…道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目
施行規則に定める科目区分又は事項等…道徳の理論及び指導法 
この授業の基礎となる科目
教師論 道徳の理論及び指導法
次に履修が望まれる科目
教育実習
【授業の目的と到達目標】
授業の目的:
 学校教育における特別活動及び総合的な学習(探究)の時間の目標、意義、内容、指導計画、指導方法と評価の仕方について学ぶ。特別活動と総合的な学習(探究)の時間の学びを通じて子供たちに育成を目指す資質・能力とは何か、それぞれの学びの特質を踏まえた指導を行うために必要なことは何か、について考究する。これが本授業の目的である。

受講生の到達目標:
目標 1:特別活動の目標と意義を理解したうえで、各活動の目標と内容及び評価について、自分の言葉で説明することができる。
目標 2:特別活動の指導計画作成の基礎を理解したうえで、その留意点について、自分の言葉で説明することができる。
目標 3:総合的な学習(探究)の時間の意義、教育課程上の位置付け、目標と内容及び評価について、自分の言葉で説明することができる。
目標 4:総合的な学習(探究)の時間の学びについて、教科等の枠を超えた横断的・総合的な視点で立案される全体計画・年間指導計画作成の基礎を理解したうえで、単元計画としての学習指導案を適切な仕方で作成することができる。
目標 5:特別活動及び総合的な学習(探究)の時間を担当する教員に必要なものは何か、という問いに対して、講義内容を踏まえつつ、自分なりの答えを与えることができる。

【注意】 
・ これらの到達目標は、漫然と講義を聴き、指示されるままに課題に取り組むというような受講態度によって到達されるものではない。受講生が本講義を手引きにして、自分にとって必要な学び(勉強と研究)を能動的に行うことによって初めて到達されるものである、ということを付記しておく。
【授業の概要】
 学校での特別活動の学びを通じて、子供たちに育成を目指す資質・能力における重要な要素は何か。それは、「人間関係形成」、「社会参画」、「自己実現」という三つの視点である。では、総合的な学習(探究)の時間の学びを通じて、子供たちに育成を目指す資質・能力における重要な要素は何か。それは、端的に言えば、「探究」という生のスタイルであり、知の技法である。本授業では、『学習指導要領 解説』を主たる手引きにして、特別活動における「人間関係形成」、「社会参画」、「自己実現」という三つの視点と、総合的な学習(探究)の時間における「探究」の内実を詳らかにすることを目指して、それぞれの学びを担当する教員に相応しい知識及び技能、思考力・判断力・表現力、さらに、主体的に学びに向かう力や人間性を身に付けるために必要なものは何か、という問いについて共に考え、議論していく。
【授業計画と授業の方法】
授業計画:
第1回 学校教育における特別活動の位置付け (ガイダンス・講義)
第2回 特別活動の目標と意義 (講義・小レポートの作成)
第3回 学級活動・ホームルーム活動の目標・内容・指導計画とその指導 (講義・全体での討論)
第4回 生徒会活動の目標・内容・指導計画とその指導 (講義・全体での討論)
第5回 学校行事の目標・内容・指導計画とその指導 (講義・小レポートの作成)
第6回 特別活動の全体計画と年間指導計画とその配慮事項 (講義・グループでの討論)
第7回 特別活動の指導内容に関する配慮事項と評価 (講義・小レポートの作成)
第8回 学校教育における総合的な学習(探究)の時間の位置付け・目標・意義(講義・全体での討論)
第9回 総合的な学習(探究)の時間に育成を目指す資質・能力 (講義・小レポート作成)
第10回 総合的な学習(探究)の時間の目標及び内容 (講義・グループでの討論)
第11回 総合的な学習(探究)の時間の学習指導と評価 (講義・小レポートの作成)
第12回 総合的な学習(探究)の時間の評価 (講義・グループでの討論)
第13回 総合的な学習(探究)の時間の指導計画の作成方法①−−年間指導計画と単元計画−− (講義・小レポートの作成)
第14回 総合的な学習(探究)の時間の指導計画の作成方法②−−年間指導計画と単元計画−− (講義・グループでの討論)
第15回 全体の振り返り−−特別活動及び総合的な学習(探究)の時間の学び再考−− (講義・全体での討論)

授業の方法については、各回の後ろに付した( )内の記述を参照のこと。
各回、講義が中心になるが、受講生は、講義をもとに行われるグループ、または全体での討論に積極的に参加すること。
また、小レポートはすべて成績評価の対象になるので、しっかりと作成すること。
テキスト・参考書
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別活動編』東山書房、2018年
−−『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編』東山書房、2018年
−−『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 特別活動編』東京書籍、2019年
−−『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編』学校図書、2019年

【注意】
・ テキストは、上述の紙版ではなく、文部科学省のホームページでダウンロードすることができるPDF版を使用してもよい。
・ 授業資料等は、必要に応じて、適宜配付する。参考書(関連文献)等については、授業中に紹介する。
授業時間外の学修
事前学習:
 授業計画にしたがって、各回の授業に参加する前に、該当する『学習指導要領解説』の箇所を必ず読んでおくこと。また、授業内容に関連する事柄について、主体的に調べる予習に取り組むこと。
事後学習:
 各回、授業内容について振り返り、大事な事柄については、自分の言葉でまとめておくこと(ノートの整理を行うこと)。また、図書館やインターネット等を積極的に利用して、自らに必要な関連文献を探して読み、自分なりに学びを深めること。
成績評価の方法と基準
成績評価の方法:
 期末試験(筆記試験)40%、小レポート30%、学習指導案30%
成績評価の基準:
 到達目標1、2、3に関して、期末試験(筆記試験)の問題に対して、正解していること。
 到達目標5に関して、期末試験(筆記試験)の問題に対して、自分なりの考察がなされていること。
 到達目標4に関して、学習指導案が適切な仕方で作成されていること。
 到達目標1、2、3に関して、講義内容を踏まえつつ、自分の言葉で小レポートが作成されていること。

【注意】
・ 期末試験(筆記試験)及び小レポートについては、内容に関して、学習指導案については、内容と形式に関して一定のレベルを求めるのでしっかりと取り組むこと。
・ 教職を志す者に相応しい態度で講義に参加すること。
・ 小レポートの作成について、授業の進度に応じて、実施する回を変更することがある。
備  考
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容