シラバス情報

授業科目名
道徳の理論及び指導法
開講年次
2年
開講年度学期
2025年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
C-TL-203L
担当教員名
島田 喜行
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分…道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目
施行規則に定める科目区分又は事項等…道徳の理論及び指導法 
この授業の基礎となる科目
教育原理 教師論
次に履修が望まれる科目
特別活動及び総合的な学習の時間の指導法
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 本授業の目的は、学校における道徳教育及び「特別の教科 道徳」の現状とその課題について、理論と実践の双方から考究することである。そのさい、理論的な側面として、道徳とは何か、道徳教育のねらいと役割は何か、という問いについて、哲学・倫理学的な視座から多面的に検討する。また、実践的な側面として、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を意識した道徳科の授業を行うためには何が必要か、という問いについて、教育学的な視座から多角的に検討する。

(受講生の到達目標)
目標1:道徳の本質及び学校における道徳教育及び道徳科の目標・内容・指導計画・指導方法・教材・評価に関する基礎的な知識と、道徳教育の歴史と道徳性発達の基礎理論に関する基本的な概念について、自分の言葉で説明することができる。
目標2:全体計画及び年間指導計画を意識し、適切な教材を選んで、道徳科の学習指導案を作成することができる。
目標3:道徳科を担当する教員に求められる人間性と道徳性について、自分の言葉で論じることができる。

【注意】 
・ これらの到達目標は、漫然と講義を聴き、指示されるままに課題に取り組むというような受講態度によって到達されるものではない。受講生が本講義を手引きにして、自分にとって必要な学び(勉強と研究)を能動的に行うことによって初めて到達されるものである、ということを付記しておく。
【授業の概要】
 上述した授業の目的に即して、15回の授業を通して、道徳とは何か、教育とは何か、人間とはどのような存在者なのか、という道徳教育の根本問題について、受講生一人ひとりが自分なりの答えを見つけだすことを目指す。そのさい、まず、我が国の道徳教育の歴史と道徳性発達に関する基礎理論を学ぶ。次に、道徳教育及び「特別の教科 道徳」の目標と内容を理解する。その後、全体計画、年間指導計画の作成方法、教材開発の留意点、道徳科の評価の仕方について検討する。そのうえで、学習指導案の具体的な作成方法の基礎を習得し、代表者(グループ)による模擬授業を通して、道徳科の学びを担当する教員に相応しい知識・技能、思考力・表現力、そして、主体的に学びに向かう力と人間性を身に付けるために必要なことは何か、という問いについて共に考え、議論していく。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
1回 道徳教育をめぐる問い−−人間・道徳・教育−− (ガイダンス・講義)
2回 「道徳」とは何か——道徳の本質及び学校での道徳教育と道徳科の目標 (講義・全体での討論)
3回 道徳教育の歴史 (講義・小レポートの作成)
4回 道徳性発達理論——ピアジェ・コールバーグ・ブルを中心に (講義・グループでの討論)
5回 学習指導要領における「道徳教育」及び「特別の教科 道徳」の内容 (講義・全体での討論)
6回 学習指導要領における「道徳教育」及び「特別の教科 道徳」の内容項目 (講義・小レポートの作成)
7回 「特別の教科 道徳」の全体計画 (講義・全体での討論)
8回 「特別の教科 道徳」の年間指導計画 (講義・小レポートの作成)
9回 「特別の教科 道徳」の特質とそれを生かした多様な指導方法 (講義・全体での討論)
10回 「特別の教科 道徳」の教材開発 (講義・グループでの討論)
11回 「特別の教科 道徳」の評価 (講義・小レポートの作成)
12回 「特別の教科 道徳」の学習指導案作成と授業の留意点 (講義・小レポートの作成)
13回 代表者(グループ)による模擬授業の実践と検討① (模擬授業・相互評価及び全体での討論)
14回 代表者(グループ)による模擬授業の実践と検討② (模擬授業・相互評価及び全体での討論・小レポートの作成)
15回 全体の振り返り:「社会に開かれた教育課程」と道徳教育 (講義・全体での討論)

(授業の方法)
授業の方法については、各回の後ろに付した( )内の記述を参照のこと。
各回、講義が中心になるが、受講生は、講義をもとに行われるグループ、または全体での討論に積極的に参加すること。
また、小レポートはすべて成績評価の対象になるので、しっかりと作成すること。
テキスト・参考書
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年3月告示) 解説 特別の教科 道徳編』教育出版、2018年
−−『小学校学習指導要領(平成29年3月告示) 解説 特別の教科 道徳編』廣済堂あかつき、
2018年

【注意】
・ テキストは、上述の紙版ではなく、文部科学省のホームページでダウンロードすることができるPDF版を使用してもよい。
・ 授業資料等は、必要に応じて、適宜配付する。参考書(関連文献)等については、授業中に紹介する。
授業時間外の学修
(事前学修)
本シラバスで予告された講義内容について,事前にテキストや参考書・雑誌等によって内容の理解に努め,時事的な情報の収集に努めること。
(事後学修)
そのうえで授業後は,配付資料や授業ノート・ワークシートの振り返りを行い,授業で紹介した文献に当たるなど事後学修に努めること。
成績評価の方法と基準
成績評価の方法:
 期末試験(筆記試験)40%、小レポート30%、学習指導案30%
成績評価の基準:
 到達目標1に関して、期末試験(筆記試験)の問題に対して、正解していること。
 到達目標3に関して、期末試験(筆記試験)の問題に対して、自分なりの考察がなされていること。
 到達目標2に関して、学習指導案が適切な仕方で作成されていること。
 到達目標1及び3に関して、講義内容を踏まえつつ、自分の言葉で小レポートが作成されていること。

【注意】
・ 期末試験(筆記試験)及び小レポートについては、内容に関して、学習指導案については、内容と形式に関して一定のレベルを求めるのでしっかりと取り組むこと。
・ 教職を志す者に相応しい態度で講義に参加すること。
・ 小レポートの作成について、授業の進度に応じて、実施する回を変更することがある。
備  考
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容