マクロ経済学２

2年

2025年度後期

2.00単位

E-EC-204L

井本　伸

単独

教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目（高等学校　商業）
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・商業の関係科目

マクロ経済学１

財政学、金融論、国際経済学など

(授業の目的）
　この授業の目的は、前期で学んだ「マクロ経済学1」とあわせて、マクロ経済理論の総合的な理解を通じて、現実の経済問題を理論的に考える能力を身に付けることです。マクロ経済学は、大きく分けて短期分析と長期分析があります。前期で学んだ短期分析に加えて長期分析を学ぶことにより、マクロ経済学全体の考え方を身に着けてもらうことになります。

（受講生の到達目標）
到達目標1; 短期分析であるIS-LMモデル・マンデル-フレミングモデル・AD-ASモデルを数式を用いて説明出来る。
到達目標2; 長期分析であるソローの経済成長理論や内生的経済成長理論について数式を用いて説明出来る。
到達目標3; 財政政策、金融政策、消費・投資理論など、その他のマクロ経済学のトピックスについて説明出来る。

最初テキストは前期と同じ「マンキューマクロ経済学I(入門編)」を用います。まず、前期に学んだISーLMモデルを復習します。次に、海外との貿易を考慮したIS-LMモデルであるマンデル-フレミングモデルについて学びます。そして、総需要側だけしか考慮していなかったIS-LMモデルに総供給の理論を加えた総合的な短期分析であるAD-ASモデルを学びます。
次にテキストは「マンキューマクロ経済学II（応用篇）」に移り、長期分析である経済成長理論や経済変動の動学モデルについて学びます。そして、財政政策や金融政策などの安定化政策に関する考え方や、消費・投資の理論といった様々なマクロ経済理論のトピックスを学びます。
前期よりもさらに数学的に難しくなります。連立方程式や数列、微分による最大値・最小値の問題などを理解している必要があります。

（授業計画）
第  １回  イントロダクション
講義の進め方について・前期の復習
第  ２回　１−１０章：総需要II：IS-LMモデルの応用　
IS-LMモデルによる変動の説明・総需要理論としてのIS-LM
第  ３回　１−１１章：開放経済再訪（１）
マルデル=フレミングモデル
第  ４回　１−１１章：開放経済再訪（２）　
変動相場制下の小国開放経済・固定相場制下の小国開放経済・利子率格差
第  ５回　１−１２章：総供給およびインフレーションと失業の短期的トレードオフ（１）
総供給の基礎理論
第  ６回　１−１２章：総供給およびインフレーションと失業の短期的トレードオフ（２）
インフレーション、失業とフィリップス曲線
第  ７回　２−１章：経済成長の源泉としての資本蓄積
基本的ソローモデル・資本の黄金律水準
第  ８回　２−２章：人口成長と技術進歩
人口成長・技術進歩・内生的成長理論
第  ９回　２−３章：成長の実証と政策
成長理論から成長の実証へ・経済成長の源泉の計算・成長を促進する諸政策
第１0回　２−４章：経済変動の動学モデル
動学的AD-ASモデル・DSGEモデルに向けて
第１1回　２−５章：安定化政策に関する異なる考え方
政策は積極的であるべきか、受動的であるべきか・政策の運営：ルールか裁量か
第１2回　２−６章：政府負債と財政赤字
政府負債の規模・測定問題・政府負債に関する伝統的見解、リカード派の見解
第１3回　２−７章：金融システム：好機と危機
金融システムは何をしているのか・金融危機
第１4回　２−８章：消費と投資のミクロ的基礎（１）
消費支出を決めるのは何か・ライフサイクル仮説・恒常所得仮説・ランダムウォーク仮説
第１5回　２−８章：消費と投資のミクロ的基礎（２）
投資支出を決めるのは何か・投資の新古典派モデル・株式市場とトービンのｑ

（授業の方法）
授業は15回全て、パワーポイント等で作成されたスライドを用いて教員が講義する形で行います。必要に応じて、計算問題の解説などは、黒板に書く場合もあります。講義資料は事前にkyouzaiフォルダなどで配布しますので、テキストと合わせて事前学修に役立ててください。毎回講義内容に関連した練習問題を出題します。講義終了後、当日中にポータルを利用して解答を送ってください。練習問題の解説や質問のフィードバックは次回講義時に行います。
第9回(応用篇第3章)講義の終了後、そこまでの範囲について中間テストを行います。出題は講義終了後にポータルを通じて行いますので、毎回の練習問題と同様にポータルを通じて回答を行ってください（中間テストは講義時間中に行うわけではありません）。

(テキスト)
N.G.マンキュー「マンキューマクロ経済学I（入門篇）【第5版】」東洋経済新報社、2024
N.G.マンキュー「マンキューマクロ経済学II（応用篇）【第5版】」東洋経済新報社、2024

（事前学修）
　テキストの該当箇所および事前配布している講義資料を読むことにより予習を行ってください。
（事後学修）
　講義時間中に出題する練習問題に取り組んでください。また、次回講義時の解説により、練習問題の回答が間違っていた場合や理解が足りないと感じた場合は、復習してください。

（成績評価の方法）
毎回の練習問題（30％）
中間テスト（10％）
期末テスト（60％）
（成績評価の基準）
到達目標1;短期のマクロ経済分析に関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ており、またそれらに関する計算問題が解けている。　
到達目標2;長期のマクロ経済分析に関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ており、またそれらに関する計算問題が解けている。　
到達目標3;消費の理論と投資の理論に関する知識を問う問題ついて正しく答えることが出来ており、またそれらに関する計算問題が解けている。