シラバス情報

授業科目名
美術史特講(日本)
開講年次
1年
開講年度学期
2024年度前期、2024年度後期
単位数
4単位
科目ナンバリング
担当教員名
市川 彰
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校専修免許・高等学校専修免許 美術)
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・教科及び教科の指導法に関する科目
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
主に安土桃山〜江戸時代の日本の美術作品を詳細に観察し、さまざまな視点から分析したうえで言語化することを経て、最終的に、自身の作品について視点を明確にしながら語ることができるようになることを目的とする。

(受講生の到達目標)
到達目標1;日本の美術作品を観察して言語化することができる。
到達目標2;日本の美術作品をさまざまな視点から分析して記述することができる。
到達目標3;視点を明確にしながら自身の制作や作品を語ることができる。
【授業の概要】
安土桃山時代から江戸時代にかけての代表的な絵師作品を取り上げ、詳細に観察し、多角的に分析・考察する。
【授業計画と授業の方法】
(授業の計画)
第 1回 オリエンテーション...[講義]
第 2回 表現における大と小;狩野永徳「檜図屏風」ほか...[講義]
第 3回 作品が存在する場;狩野永徳「唐獅子図屏風」ほか...[講義]
第 4回 表現を説明する;狩野秀頼「観楓図屏風」ほか...[講義]
第 5回 表現された視線をたどる;狩野長信「花下遊楽図屏風」ほか...[講義]
第 6回 人の姿かたちを表現する;狩野光信「豊臣秀吉像」ほか...[講義]
第 7回 表現における演出、操作;長谷川等伯「伝名和長年像」ほか...[講義]
第 8回 情趣を表現する;長谷川等伯「松林図屏風」ほか...[講義]
第 9回 絵画表現における装飾;狩野探幽「鳳凰図屏風」ほか...[講義]
第10回 表現を継承する;狩野山楽「龍虎図屏風」ほか...[講義]
第11回 表現における巨視と微視;狩野山楽「車争図屏風」ほか...[講義]
第12回 絵画表現とデザイン;狩野山雪「梅図襖」ほか...[講義]
第13回 イメージの源泉を探る;俵屋宗達「風神雷神図屏風」ほか...[講義]
第14回 写すこと、制作すること;尾形光琳「風神雷神図屏風」ほか...[講義]
第15回 憧憬から制作へ;尾形光琳「紅白梅図屏風」、酒井抱一「夏秋草図屏風」ほか...[講義]
第16回 表現にリズムを見いだす;尾形光琳「燕子花図屏風」ほか...[講義]
第17回 形式を表現に取り込む;鈴木其一「朝顔図屏風」ほか..[講義]
第18回 現実を絵画として表現する;円山応挙「雪松図屏風」ほか...[講義]
第19回 実在感を表現する;円山応挙「遊虎図襖」ほか...[講義]
第20回 表現を語ること、作者を語ること;伊藤若冲「動植綵絵」...[講義]
第21回 表現のプロセスをたどる;伊藤若冲「鶴図」ほか...[講義]
第22回 固定観念をずらす;曾我蕭白「雲龍図」ほか...[講義]
第23回 表現の層をうかがう;曾我蕭白「群仙図屏風」ほか...[講義]
第24回 表現に見出す感性;長沢蘆雪「虎図襖」ほか...[講義]
第25回 表現に重ねるもの;与謝蕪村「鳶烏図」ほか...[講義]
第26回 人物のいる風景;池大雅「楼閣山水図屏風」ほか...[講義]
第27回 表現における色感と諧調...池大雅「漁楽図」ほか...[講義]
第28回 テーマと構成要素;浦上玉堂「凍雲篩雪図」、田能村竹田「松巒古寺図」ほか...[講義]
第29回 光景を表現する;小田野直武「東叡山不忍池」ほか..[講義]
第30回 人の内と外を表現する;渡辺崋山「市河米庵像」ほか...[講義]

(授業の方法)
プロジェクターとスクリーンを使用して作品の画像を示しながら講義をおこなう。すべての受講生が発話することによって、作品の鑑賞および理解を深めていく。また、各回の内容に即した課題に取り組んで提出することを求める。
テキスト・参考書
使用しません。
授業時間外の学修
各回に取り上げるテーマに関し、自身の制作や作品に即して思考することを求める。
(事前学習)
各回に取り上げる画家について、来歴や代表作をリサーチすることを求める。
(事後学習)
各回の講義内容に即した課題に取り組み、提出することを求める。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
講義における積極的な発話、講義後に提出する課題の記述内容(60%)、期末試験(40%)

(成績評価の基準)
到達目標1;作品を観察して言語化することを求める設問に答えることができている。
到達目標2;作品をさまざまな視点から分析することを求める設問に答えることができている。
到達目標3;視点を明確に設定し、自身の制作や作品について的確に記述することができている。
備  考
日頃から、美術館やギャラリー等において実際の作品に相対することを心がけられたい。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容
学芸員として実務経験を持つ教員による授業