経済情報数学特論

1年

2024年度後期

2単位

宮川　貴史

単独

基礎数学１、基礎数学２

（授業の目的）
この授業の目的は、経済学、経営学、情報分野を学ぶために必要な微分積分と線形代数の応用的な概念と高度な計算力を身に付けることです。特に、「広義積分」、「多変数関数の重積分」についての計算力を身に付けてもらうことになります。

（受講生の到達目標）
到達目標1；微分積分の応用的な概念について、定義や定理を正しく説明できる。
到達目標2；微分積分の計算問題について、正しく計算できる。
到達目標3；微分積分の応用問題について、数学的に正しい記述ができる。

（授業の概要）
微分積分の「積分の復習」、「広義積分」および「2重積分」に関する概念と計算方法について学修します。
2重積分の変数変換の際に線形代数の基礎である「行列式」の関する基本知識が必須となります。

（注意）
この授業を履修するにあたって、「基礎数学１」、「基礎数学２」を履修、または、同等の知識と学力を得ており、開講時点でもその能力を有していることが必須となります（基礎数学１、基礎数学２の学修内容については下記を参照）。そうでない場合は、この授業を履修しながら同時並行で「基礎数学１」、「基礎数学２」を履修する、または相当内容の学修を意欲的に行い、本授業の内容理解に支障をきたすことのないよう努めることを了承できる、ということが必要です。

（参考）
「基礎数学１」と「基礎数学２」の学修内容
基礎数学１；
1変数関数の微分、関数の増減とグラフの凹凸、2変数関数の偏微分、2変数関数の極値、条件付き極値問題（ラグランジュの未定乗数法）、1変数関数の積分、定積分（リーマン積分）の定義、定積分と面積
基礎数学２；
行列の基本演算、連立一次方程式と行列、行列の階数、連立一次方程式の解の自由度、固有値と固有ベクトル、行列の対角化、対称行列の対角化

（授業計画）
第1回　積分の復習（講義、演習）
　定積分と面積
第2回　広義積分 （講義、演習、レポート）
　特異点を含む区間の積分・無限区間の積分
第3回　2重積分とその計算1 （講義、演習）
　長方形領域の2重積分
第4回　2重積分とその計算2（講義、演習）
　曲線で囲まれた領域に対する重積分
第5回　2重積分のその計算3 （講義、演習、レポート）
　積分変数の順序交換
第6回　2重積分のその計算4 （講義、演習）
　2重積分の変数変換とヤコビ行列式
第7回　2重積分のその計算5（講義、演習、レポート）
　極座標変換
第8回　2重積分の厳密な定義1（講義、演習）
　長方形領域における2変数関数に対するリーマン和
第9回　2重積分の厳密な定義2（講義、演習、レポート）
　一般領域における2重積分の定義
第10回　2重積分の応用1（講義、演習）
　立体図形の体積1 〜積分領域が与えられた立体の体積〜
第11回　2重積分の応用2（講義、演習、レポート）
　立体図形の体積2 〜2つ以上の立体の共通部分の体積〜
第12回　2重積分の応用3（講義、演習）
　1変数関数で表される曲線の長さ
第13回　2重積分の応用4（講義、演習、レポート）
　曲面席の計算
第14回　広義重積分1（講義、演習）
　特異点を含む領域と無限領域における重積分
第15回　広義重積分2（講義、演習、レポート）
　ガウス積分、ガンマ関数、ベータ関数への応用

（授業の方法）
・学習事項を板書しながら解説する形式で実施します。
・授業中に演習時間を設け、机間巡視、机間指導を行いながら習熟度を確認します。その際、個別に質問も受け付けます。演習終了後は解説と解法のポイントや注意点の提示を板書形式で行います。
・適宜、学習内容を深めることを目的としたレポート（7回程度）を課します。

（テキスト）
※テキストは特に指定しません。必要に応じて資料を配布します。

（参考書）
＜微分積分＞
　市原一裕、『数研講座シリーズ　大学教養　微分積分の基礎』、数研出版、2020年
　加藤文元、『数研講座シリーズ　大学教養　微分積分』、数研出版、2019年
　市原一裕、『チャート式シリーズ　大学教養　微分積分の基礎』、数研出版、2020年
　加藤文元、『チャート式シリーズ　大学教養　微分積分』、数研出版、2019年
＜線形代数＞
　市原一裕、『数研講座シリーズ　大学教養　線形代数の基礎』、数研出版、2021年
　加藤文元、『数研講座シリーズ　大学教養　線形代数』、数研出版、2019年
　市原一裕、『チャート式シリーズ　大学教養　線形代数の基礎』、数研出版、2022年
　加藤文元、『チャート式シリーズ　大学教養　線形代数』、数研出版、2020年　

（事前学修）
参考書に挙げたテキストや相当する書籍を用いて、概要を一通り見ておく。ことで、授業の理解度が格段に上がります。

（事後学修）
毎回ノートを繰り返し読んで復習し、演習問題やレポート問題も解き直しましょう。その後、定義や定理などの基本概念を再度考察することで、より深く理解できるようになります。

（注意）
講義を一度聴いただけではほとんど理解が定着しませんので、ノートを繰り返し読み、演習問題やレポート問題の解き直しを行いましょう。問題演習においても公式や解法手順を単に暗記するだけでは学力は一切身につきません。「数学の基本概念」、「定理の成り立ち」、「なぜこう解くのか？」を考察しながら理論を根底から理解することを心がけ、「理論の考察」と「問題演習」のサイクルを複数回繰り返して理解を定着させましょう。

（成績評価の方法）
レポート（50%）
期末試験（50%）

（成績評価の基準）
到達目標1；微分積分の応用的な概念について、定義や定理を正しく説明できている。
到達目標2；微分積分の計算問題について、正しく計算できている。
到達目標3；微分積分の応用問題について、数学的に正しい記述ができている。　

上記の授業計画は履修生の習熟度を考慮し、進度を変更する場合があります。

〇

予備校での指導経験を有する教員による授業