日本文学講読６（近現代）

カリキュラムにより異なります。

2024年度後期

2単位

J-JLT-226L

柴　市郎

単独

教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目（中学校・高等学校　国語）
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国文学（国文学史を含む。）

(授業の目的)　
現代に即応したメディアリテラシーを習得するための一環として、小津映画を対象としながら、映像表現について客観的・分析的な考察、レポート作成ができるよう、主体的な学びをする。

(受講生の到達目標)
（知識技能）
　　到達目標1; 映像表現から、日本文学（近現代文学）における知識を修得し、発表やレポートに活用することができる。
（思考力・判断力・表現力）
　　到達目標2; 映像表現の研究方法に即して、資料から正確に情報を読み取り、内容を論理的に説明することができる。
　　到達目標3; 映像表現の特質を把握し、その知識に基づいたレポートを作成することができる。

小津安二郎作品を観る＝読む　〜後期小津作品分析・〈紀子三部作〉を中心に〜
映画研究機関British Film Instituteが10年ごとに発表している世界映画史上のベストテン（2012年版）に、日本映画として最上位のみならず、オーソン・ウェルズやスタンリー・キューブリック、アルフレッド・ヒッチコックら並み居る巨匠たちをおさえ1位に入選している（映画監督部門）『東京物語』は、ここ尾道を重要な舞台としたフィルムである。そこに描かれている家族のすがたはきわめて〈日本的〉でありながらも、B・F・I のランキングに表れているように、『東京物語』は日本映画として現在もっとも国際的な評価を得るに至っている。この授業では、『東京物語』とともに、小津安二郎の戦後作品のうち〈紀子三部作〉を形成する『晩春』・『麦秋』を中心に、その映像表現の妙とそこに描かれる家族のすがたについて検証・分析を試みる。　

（授業計画）
第　１回　講義；ガイダンス（講義の進め方）
第　２回　講義；小津安二郎について
第　３回　講義；『東京物語』鑑賞
第　４回　講義；『東京物語』考察
第　５回　講義；イマジナリーライン概論
第　６回　講義；『麦秋』鑑賞
第　７回　講義；『麦秋』考察
第　８回　講義；『晩春』鑑賞
第　９回　講義；『晩春』考察
第１０回　講義；紀子三部作分析
第１１回　講義；『秋日和』鑑賞
第１２回　講義；『秋日和』分析
第１３回　講義；女優・原節子論
第１４回　講義；戦前の小津安二郎・『青春の夢いまいづこ』鑑賞
第１５回　講義；まとめ

(授業の方法)　
作品鑑賞の回をふまえて、講義とディスカッション形式で考察・分析をおこなう。　
各作品についてディスカッションを行い提出物を課す。

テキスト：配付プリントを用いる。
参考書等：適宜、指示する。

(事前学習)
その回の分野の演習にかかわる作品や文学的知識に触れ、必要な知識を整理しておく。
（事後学習）
各回で提示される課題を完成させ提出する。

（成績評価の方法）
授業中のディスカッションでの発言・提出物を総合した平常点（30%）、学期末レポートの評価（70%）を加味して判定する。（状況によって変更の可能性あり）

（成績評価の基準）
（知識技能）
　　到達目標1; 学修した知識・内容を理解しこれにもとづいた、発表やレポートが作成できている。
（思考力・判断力・表現力）
　　到達目標2; 学修した研究方法に即して情報を分析し内容を論理的に説明できている。
　　到達目標3; 学修した内容や議論をもとに、レポートを作成することができている。

諸事情からリモート授業を実施する場合はTeamsの「会議」を使って行います。日本の近代小説史を彩る多様な個性に刮目すべし。

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