シラバス情報

授業科目名
生産管理論
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-MN-212L
担当教員名
趙 怡純
担当形態
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
経営管理論
次に履修が望まれる科目
製品開発論(品質管理論)
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 本科目は生産管理にかんする理論や概念を理解し、現代企業の課題や今後の展望について考察するための視点を修得することを目的とします。具体的な到達目標は、下記の3点です。

(受講生の到達目標)
(1)生産管理の分野に関連する基礎知識や理論を説明できる
(2)生産管理の概念について歴史的な展開と日本企業の特徴について説明できる
(3)日本的な生産管理の手法を海外に移転する際の問題や課題について自らの考えを論じることができる
【授業の概要】
 
 本科目では、企業(製造業)の生産管理にかんする理論や概念を解説します。日本製の商品=高品質というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。ではなぜ、日本製の商品は高品質だと評価されているのでしょうか。この授業では、トヨタ生産方式に代表されるような日本の製造業(おもに組立加工産業)のモノづくりに対する考え方や生産管理の手法について、欧米企業と比較しながら紹介します。また、これに先立ち、テイラーの科学的管理法やフォードの大量生産システムといった生産管理に関わる伝統的な議論を歴史的な展開を踏まえながら解説します。
 生産管理の手法は日本企業の優位性として積極的に海外に移転されてきました。近年、日本企業のグローバル化が進展し、世界中に複数の生産拠点を持ち、海外での生産量が国内を上回る企業も数多く登場しました。その中で、日本企業はどのような問題に直面しているのかについて考えてもらうことを狙いとしています。また、この授業では課題を通して受講生の考えを述べてもらう機会を設けています。そのため、授業に対して受け身ではなく、日々のニュースや企業の活動に着目し、自らの考えをもつことを求めます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 講義概要の説明:生産管理とはなにか
第2回 生産管理の基礎知識(1):生産の流れを理解する
第3回 生産管理の基礎知識(2):流れの計画を理解する
第4回 生産管理の基礎知識(3):企業を超えた流れづくり
第5回 生産管理論の系譜(1):テイラーの科学的管理法
第6回 生産管理論の系譜(2):大量生産システム
第7回 生産管理論の系譜(3):フレキシブル生産システム
第8回 日本的生産管理(1):トヨタ生産方式
第9回 日本的生産管理(2):サプライヤーシステムの構築
第10回 日本的生産管理(3):生産現場の組織能力
第11回 日本的生産管理(4):品質管理の取り組み
第12回 生産管理の国際移転(1):国際生産のプロセス
第13回 生産管理の国際移転(2):海外工場への適用と適応
第14回 生産管理の国際移転(3):ワーキング・フォー・ザ・ジャパニーズ
第15回 総括:持続可能な流れの構築に向けて

(授業の方法)
 授業の形式は、15回すべて「講義」です。パワーポイントの資料を用いて解説していきます。資料は事前にポータルやTeamsに配信します。毎回、コミュニケーションカードの課題を出します。授業内容に関連した質問を出し、受講生 には自らの体験や考えを述べてもらいます。次回の講義でフィードバックをし、双方向型の授業を目指します。また、授業の中盤あたり(第8, 9回)で小レポートの課題を出します。小レポートの詳細は授業中にお知らせしますが、授業内容を踏まえて企業の生産管理手法を調査・分析し、自身の考えを論じてもらいます。
テキスト・参考書
(テキスト)
 使用しません。

(参考書)
 富田純一、糸久正人(2015)『コア・テキスト 生産管理』新世社
 藤本隆宏(2001)『生産マネジメント入門(1)生産システム編』日本経済新聞出版社
 ※その他、授業中に適宜ご案内します。
授業時間外の学修
(事前学修)
 事前配布した資料を読み、わからない単語や専門用語を調べてください。また、参考書の該当箇所を探して精読し、わからない点や疑問に思ったことを3つ以上書きだしてください。

(事後学修)
 コミュニケーションカードの課題に取り組んでください。その際には、授業中に紹介した参考文献をもとに復習し、理解を深めてください。また、授業内容に関連するニュースや企業の情報を新聞や公式ホームページなどから収集し、自身の考えを論じてください。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
 期末試験(60%)、小レポート(25%)、コミュニケーションカード(15%)

(成績評価の基準)
 3つの到達目標に対する評価基準は下記の通りです。
(1)生産管理の基礎理論について期末試験で7割以上正しく説明できている
(2)生産管理の概念について歴史的な展開と日本企業の特徴を期末試験で7割以上正しく説明できている
(3)小レポートおよびコミュニケーションカードの課題において、日本企業の生産管理の手法を国際移転する際の問題や課題について提示し、その原因や解決策など自らの考えを論じることができる
備  考
 受講生の皆さんの意見を伺いながら授業を進めていきたいと考えています。そのため、上記の授業計画はあくまでも暫定的なものであり、授業内容や順番については変更の可能性があることをご了承ください。また、講義科目ではありますが、受講生には受け身ではなく自ら考え積極的に発言することを求めます。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容