シラバス情報

授業科目名
財務管理論
開講年次
3年
開講年度学期
2024年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-MN-305L
担当教員名
関下 弘樹
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
経営学・簿記・会計学
次に履修が望まれる科目
管理会計論・金融論
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 「会社の血流」であるお金の流れ、つまり「財務」の仕組みを学び、財務のマネジメントにより企業の経営にどのような影響を与えるのかについて学ぶ。財務は大きく、資金調達と資金運用から成り、それぞれの役割について、具体的な事例から理解する。また、近年、企業経営において重要な要素となっている、ESGについても取り上げ、それらと企業財務との関連性についても学ぶ。

(到達目標)
財務管理の手法・仕組みについて説明できる。
経済・時事問題を通じて、企業における財務管理の課題を説明できる。
これから企業財務に必要な事項を論じることができる。
【授業の概要】
財務管理論は、伝統的な経営管理の思考を基礎としつつ、近年のコーポレート・ファイナンス論の要素を加味し、講義を進める。学習の対象となる企業とその仕組みについて学ぶとともに、「お金」の流れについて学ぶ。その上で、ファイナンス論として企業価値評価や現在価値などについて学習する。加えて講義後半では、M&Aや中小企業財務、ディスクロージャー、ガバナンス、ESG投資等の現代的な企業経営における課題を取り上げる。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 財務管理とは何か
 財務管理論の流れと概要の理解、ファイナンス論との相違について学修
第2回 株主価値経営からの転換(1〜2講)
 株主価値経営の破綻、財務管理と環境問題
第3回 企業財務の社会的背景(3〜4講)
 貧困問題と格差、情報革命
第4回 機関投資家とコーポレート・ガバナンス(5〜6講)
 機関投資家とスチュワードシップ・コード、ESG投資、コーポレート・ガバナンスの状況
第5回 証券市場とディクスロージャー(7〜9講)
 持株会社制度の導入、証券市場の役割、ディスクロージャーと財務分析
第6回 利益管理とリスクマネジメント(10〜11講)
 利益管理とEVA、リスクマネジメントのプロセスと4つの戦略
第7回 資本の運用(12〜14講)
 運転資本管理と設備資本管理、キャッシュ・フロー管理、株価と投資評価
第8回 前半講義のまとめ
 前半の講義を振り返るまとめ学修の後、中間試験を実施
第9回 資金調達(15〜16講)
 借入金の調達、銀行業発展の経緯、証券化商品市場の行方
第10回 金融商品と格付け(17〜19講)
 社債と格付け、CPとMTN
第11回 財務戦略(20〜21講)
 資本政策と自社株取得、M&A
第12回 知的財産・デリバティブ(22〜23講)
 知的財産戦略、デリバティブの仕組み
第13回 新たな中小企業経営・新ベンチャービジネス(24〜25講)
 中小企業における新たな財務管理、ベンチャービジネスにおける資金調達
第14回 これからの財務管理(26〜27講)
 ESG投資、SDGsと企業財務、これからの財務管理
第15回 後半講義のまとめ
 後半に実施した講義内容を中心に振り返り

(授業の方法)
授業は全15回すべて、パワーポイント等で作成された資料を用いて実施する。適宜、理解の助けとなることについて、板書を行う。講義資料は、事前にポータルにアップする。
テキスト・参考書
(テキスト)
 鳥居陽介編(2022)『テキスト財務管理論 第6版』、中央経済社。
(参考図書)
 石野雄一(2013)『ざっくり分かるファイナンス:経営センスを磨くための財務』、光文社。
授業時間外の学修
(事前学修)
 教科書の該当章を読むなどして予習を行う。
(事後学修)
 学修した内容を振り返りを行う。
成績評価の方法と基準
中間試験(35%)、定期試験(60%)、授業中課題(5%)
備  考
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容