シラバス情報

授業科目名
製品開発論
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-MN-211L
担当教員名
趙 怡純
担当形態
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
生産管理論(生産システム論)
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 本科目は製品開発にかんする理論や概念を理解し、現代企業の課題や今後の展望について考察するための視点を修得することを目的とします。具体的な到達目標は、下記の3点です。

(受講生の到達目標)
(1)製品開発の分野に関連する基礎知識や理論を説明できる
(2)製品開発機能の国際化や複数企業による共同開発の特徴と課題について説明できる
(3)価値が多様化する現代において、企業の製品開発にかんする問題や課題について自らの考えを論じることができる
【授業の概要】
 本科目では、企業の製品開発やそのプロセスにかんする理論や概念を解説します。企業の基本的な活動は製品やサービスを生産し、それらを顧客に提供することです。その根幹でもあり、付加価値を生み出す源泉ともいえる製品開発の基礎知識や概念について、実際の企業の事例を踏まえながら解説します。ヒット商品はどのようにして生み出されるのでしょうか。新しいものを生み出すという製品開発の活動は企業内でどのように管理されているのでしょうか。製品開発では消費者視点に立つマーケティングの思考やブランド構築の概念も重要ですが、この授業ではおもに企業の製品戦略、技術戦略、イノベーション、開発組織の運営・管理、製品開発のプロセスといった観点から解説します。また、複数企業による共同開発や開発機能の海外展開についても、企業の事例を紹介しながら理論や概念を解説します。
 価値が多様化する現代において、製品開発の観点から、企業はどのようにして付加価値を生み出すのかについて考える面白さや難しさを実感してもらうことを狙いとしています。また、この授業では課題を通して受講生の考えを述べてもらう機会を設けています。そのため、授業に対して受け身ではなく、日々のニュースや企業の活動に着目し、自らの考えをもつことを求めます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 講義概要の説明:製品開発とはなにか
第2回 製品開発の基礎知識(1):製品開発の本質と競争力
第3回 製品開発の基礎知識(2):製品戦略
第4回 製品開発の基礎知識(3):製品開発とイノベーション
第5回 製品開発のマネジメント(1):製品アーキテクチャの概念
第6回 製品開発のマネジメント(2):コモディティ化
第7回 製品開発のマネジメント(3):製品開発組織のデザイン
第8回 製品開発のマネジメント(4):コンカレントエンジニアリング
第9回 製品開発と市場創造(1):顧客価値創造の事業システム
第10回 製品開発と市場創造(2):企業間協働による製品開発
第11回 製品開発と市場創造(3):技術の社会的形成アプローチ
第12回 製品開発と市場創造(4):アート思考のものづくり
第13回 製品開発機能の国際移転(1):製品開発機能の現地化
第14回 製品開発機能の国際移転(2):グローバルR&Dマネジメント
第15回 総括:製品開発を取り巻く環境の変化

(授業の方法)
 授業の形式は、15回すべて「講義」です。パワーポイントの資料を用いて解説していきます。資料は事前にポータルやTeamsに配信します。毎回、コミュニケーションカードの課題を出します。授業内容に関連した質問を出し、受講生には自らの体験や考えを述べてもらいます。次回の講義でフィードバックをし、双方向型の授業を目指します。また、授業の中盤あたり(第8, 9回)で小レポートの課題を出します。小レポートの詳細は授業中にお知らせしますが、授業内容を踏まえて企業の製品開発活動を調査・分析し、自身の考えを論じてもらいます。
テキスト・参考書
(テキスト)
 使用しません。

(参考書)
 延岡健太郎(2006)『MOT“技術経営”入門』日本経済新聞出版社
 石井真一(2013)『国際協働のマネジメント』千倉書房
 ※ その他、授業中に適宜ご案内します。 
授業時間外の学修
(事前学修) 
 事前配布した資料を読み、わからない単語や専門用語を調べてください。また、参考書の該当箇所を探して精読し、わからない点や疑問に思ったことを3つ以上書きだしてください。

(事後学修) 
 コミュニケーションカードの課題に取り組んでください。その際には、授業中に紹介した参考文献をもとに復習し、理解を深めてください。また、授業内容に関連するニュースや企業の情報を新聞や公式ホームページなどから収集し、自身の考えを論じてください。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
 期末試験(60%)、小レポート(25%)、コミュニケーションカード(15%)

(成績評価の基準) 
 3つの到達目標に対する評価基準は下記の通りです。
(1)製品開発の基礎理論について期末試験で7割以上正しく説明できている
(2)製品開発機能の国際化や複数企業による共同開発の特徴と課題について期末試験で7割以上正しく説明できている
(3)小レポートおよびコミュニケーションカードの課題において、価値が多様化する現代社会の中で企業の製品開発にかんする問題や課題を提示し、その原因や解決策など自らの考えを論じることができる
備  考
 受講生の皆さんの意見を伺いながら授業を進めていきたいと考えています。そのため、上記の授業計画はあくまでも暫定的なものであり、授業内容や順番については変更の可能性があることをご了承ください。また、講義科目ではありますが、受講生には受け身ではなく自ら考え積極的に発言することを求めます。
 なお、新型感染症の状況によって対面授業が制限される場合は、Teamsを使用したリアルタイムのオンライン授業を行います。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容