専門演習２a（卒業研究）

4年

2024年度前期

2単位

E-CS-401T

林　直樹

単独

【授業の目的】
先行研究を精査し、可能であれば資料調査および社会調査等も遂行して、卒業研究を一歩でも先へと進める。
【受講生の到達目標】
研究計画書の執筆を通じて問題意識を明確にしたうえで、用いるべき分析手法につき知悉することができる。

　各自の研究テーマに基づく卒業論文を執筆する。担当教員の助言を適宜得ながら執筆を進め、他の教員やメンバーとの意見交換ないしディスカッションの機会（特に卒論中間発表会と最終発表会）を通じて論点を豊富にし、主張の深化ないし充実につなげる。オンラインツールも駆使しながら個別指導を実施し、受講者と教員の両者が納得のいく水準まで内容および構成を練り上げる。
　テーマ設定は自由だが、どのようなテーマのもとにおいても、自らの問題意識を明確にしたうえで主張を論理的に構成することが求められる。思いつくままに書き連ねたり、感情をただ言葉にしたりするだけでは、論文を形づくることはできない。単なる思いつきを創意工夫に改め、自分だけの感情を共感にまで広げるためには、やはり論理の力を借りて他者を説得する必要がある。
　まずは自らのテーマに対する愛着と責任感を持ち、「自らの言葉で語る」ことを心がけねばならない。

第　１回　ガイダンス【講義】
第　２回　論文の書き方の点検【講義】
第　３回　先行研究の検討（１）【演習＆課題】
第　４回　先行研究の検討（２）【演習＆課題】
第　５回　先行研究の検討（３）【演習＆課題】
第　６回　先行研究の検討（４）【演習＆課題】
第　７回　研究計画書の執筆（１）【演習＆課題】
第　８回　研究計画書の執筆（２）【演習＆課題】
第　９回　研究計画書の執筆（３）【演習＆課題】
第１０回　研究計画書の執筆（４）【演習＆課題】
第１１回　個別研究指導（１）【演習＆課題】
第１２回　個別研究指導（２）【演習＆課題】
第１３回　個別研究指導（３）【演習＆課題】
第１４回　個別研究指導（４）【演習＆課題】
第１５回　研究成果発表【講義＆演習】

　卒業論文の完成が目標である。「課題」とあるのは授業時間外における卒論執筆作業を指す。
　まずは先行研究をいくつか検討し、各自の研究テーマに叶う研究の手段、および文章構成法について当たりをつける。その後は研究計画書をまとめた上で個別指導に移り、問題設定・方法論を絞り込んでいくとともに検討すべき対象を明確化していく。そして準備が整った受講者が先行して成果発表を行う。

特に無し。当面の参考書としては、小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』講談社現代新書（2022年）を挙げておく。

（事前学修）
発表や個別指導の機会に向けて、資史料の読み込みや文章構成を進めること。
（事後学修）
発表や個別指導を通じて得られた知見をふまえ、分析手法の点検や文章の推敲を実施すること。

・卒業研究完成に向けた進捗状況を、到達目標に照らして評価する。
・第一次的な研究成果発表を行ってもらう。それが充分に可能な水準まで成果を調えられることが望ましい。

　卒業論文は大学での学びの頂点であると同時に、学生生活そのものの総決算でもあります。じっくりと時間をかけて取り組み、持てるものすべてを注ぎ込むつもりで挑んでください。十年後ないし二十年後、あるいはそれ以後も読むに堪えるほどの「普遍性」を備えた論文を書き上げることができれば、これに勝ることはないと思います。　

無