シラバス情報

授業科目名
専門演習1b
開講年次
3年
開講年度学期
2024年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-CS-302S
担当教員名
神﨑 稔章
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
金融論Ⅰ、金融論Ⅱ
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 本演習は、専門演習1aで培った金融ファイナンスの基礎的知識を土台とした上で、企業が行う財務的な意思決定の方法を修得する。投資、資金調達、株主還元に関する3つの意思決定の先にあるのは企業価値の最大化である。こうした企業価値を、ファイナンスの観点から説明し、企業や市場動向の分析を通じて社会のあり様を議論できるようになることを目的とする。また、授業の終盤では、卒業論文作成の準備段階として、金融ファイナンスに関する研究を発表し、議論を行えるようになることも目的とする。


(受講生の到達目標)
 到達目標1:テキストや論文の内容を分かりやすい発表資料へ変換することができる。
 到達目標2:発表資料の内容をPCを用いて発表し、質疑に応じることができる。
 到達目標3:企業価値に関する分析方法や専門用語を説明できる。
【授業の概要】
 指定したテキストを基に、発表用資料を作成し、発表を行うだけでなく、質問に答えることで、ファイナンスの特徴や課題を議論できるようにする。授業の終盤では、様々な金融経済の研究を発表し、討論を行うことができるようにする。  

【授業計画と授業の方法】
(授業計画)

第1回 オリエンテーション(講義、演習)
    授業の進め方・発表順の決定
第2回 投資に関する理論:将来価値(演習)
    現在価値と将来価値・正味現在価値・正味現在価値以外の投資判断・資本支出予算
第3回 証券投資に関する理論(1)(演習)
    平均と標準偏差・分散と共分散・ポートフォリオによる分散投資
第4回 証券投資に関する理論(2)(演習)
    相関係数と効率的フロンティア・資本市場線・市場ポートフォリオ・市場リスクとユニークリスク・市場リスクとβ(ベータ)
    ・効率的市場仮説
第5回 企業価値評価(演習)
    CAPMと株主資本コスト・企業価値評価とDCF法・EVA
第6回 企業の最適資本構成と配当政策(演習)
    資本構成と企業価値(MM理論)・ペッキング・オーダー理論・配当政策と企業価値・資金調達の方法
第7回 資本市場に関する理論(1)(演習)
    債券とは・債券利回りとリスク・金利の期間構造
第8回 資本市場に関する理論(2)(演習)
    株価の決定理論・マルチプル法
第9回 デリバティブの理論と実践的知識(演習)
    オプション価格の決定・ワラントと転換社債
第10回 ブラック=ショールズ  モデル(演習)
    ヒストリカル ボラティリティ・インプライド ボラティリティ・日産でのブラック=ショールズ  モデル活用編
    ・為替変動リスクのプレミアム・リアル オプション
第11回 我が国の投資戦略に関する発表と議論1(演習)
第12回 我が国の投資戦略に関する発表と議論2(演習)
第13回 我が国の投資戦略に関する発表と議論3(演習)
第14回 研究文献の発表1(演習)
第15回 研究文献の発表2(演習)

(授業の方法)
 初回は、教員が授業の進め方や発表順等の取り決め等を丁寧に説明する。第2回から第9回は、各受講生が指定テキストを用いて、発表資料を準備し、発表と質疑応答を行ってもらう。第11回から第13回に至る回では、1回につき1チームが、テキストで学んだ分析方法を参考に、インターネット検索によって調べたデータを用いた分析を行い、株式投資に関するポートフォリオ作成に向けた発表と質疑応答を行ってもらう。第13回から第15回に至る回では、卒業研究の準備段階として、関心のある金融や国際金融及び世界経済に関する学術論文に関する発表と質疑応答を行ってもらう。
テキスト・参考書
(テキスト)
 石野雄一著『増補改訂版 道具としてのファイナンス』、日本実業出版社、2022年.

授業時間外の学修
(事前学修)
 テキストや提言に関する発表については、テキストや参考書等を事前に読み込み、必要なデータ等を作成し、当日の発表に備えてください。次に、研究文献の発表については、各受講生が選択した論文を熟読し、発表資料を作成してください。

(事後学修)
 担当するテキストや文献発表の後、参考文献を読むことで、研究の関心を深めてください。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)

 テキスト及びポートフォリオ作成の発表内容(30%)
 研究論文の発表内容(20%)
 質疑応答や発言等、授業参加の積極度(50%)

(成績評価の基準)
到達目標1: テキストや論文の内容を分かりやすい発表資料へ変換することができる。
到達目標2: 発表資料の内容をPCを用いて発表し、質疑に応じることができる。
到達目標3:企業価値に関する分析方法や専門用語を説明できる。
備  考
発表はTeamsを用いるため、授業ではPCを持参してください。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容