教員名 : 林 直樹
|
授業科目名
経済学史
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-EC-211L
担当教員名
林 直樹
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
社会思想史、経済学入門I&II
次に履修が望まれる科目
日本経済論
【授業の目的と到達目標】
【授業の目的】
(1)現代経済学の基礎となる考え方を生み出した経済学者たちと、その歴史的社会的背景に関する知識を修得する。 (2)経済学説間の継承と断絶、分化と統合のあり様について理解し、経済学の成立過程を論理整合的に把握する。 【受講生の到達目標】 (1)主要な経済学者・経済思想家について、時代状況および人物像と関連付けながら理論体系を解説できる。 (2)経済学は歴史的産物である点をふまえて相対化し、経済をめぐる将来展望をより拡げることができる。 【授業の概要】
経済学という学問の形成過程を歴史的に追いかけることで、ミクロ経済学、マクロ経済学、経済史といった諸学科から構成される現代経済学の立体的な見取図、あるいは全体像を描き出すことを目的とする。取り上げるのは、17世紀から20世紀までの、イギリスを中心とする西欧の経済学者たちとその経済諸学説である。
20世紀を代表する経済学者ケインズは、「現代のことしか知らないことと、過去のことしか知らないことの、どちらが人を頑迷にするか、私には分からない」(『自由放任の終焉』)と述べた。単なる歴史好きで終わってはならないが、歴史に無知であってもいけない。そこが、万古不易の自然とは異なり、つねに変化し続けていく人間集団を対象とする社会科学に取り組む姿勢の難しさである。法則性・パターンは存在するが、それらは状況次第ないし観察者の立場次第で違った見え方をする。経済現象を扱う際の機微を知るうえで、様々な「ものの見方」の相互関係を対象とする学史や思想史をまなんでおくことには、それゆえに確かな価値がある。 【授業計画と授業の方法】
第 1回 重商主義とロー・システム【講義&課題】
第 2回 重農主義:ケネー「経済表」を読み解く【講義&課題】 第 3回 ヒュームの社会思想【講義&課題】 第 4回 スミス『道徳感情論』【講義&課題】 第 5回 スミス『国富論』(1)【講義&課題】 第 6回 スミス『国富論』(2)【講義&課題】 第 7回 自由か保護か(1):マルサス『人口論』【講義&課題】 第 8回 自由か保護か(2):リカード対マルサス【講義&課題】 第 9回 経済学批判:マルクスとミル【講義&課題】 第10回 限界革命(1)【講義&課題】 第11回 限界革命(2)【講義&課題】 第12回 新古典派経済学(1):部分均衡論【講義&課題】 第13回 新古典派経済学(2):一般均衡論【講義&課題】 第14回 オーストリア学派の展開【講義&課題】 第15回 ケインズ『一般理論』【講義&課題】 テキストは特に指定せず、教員作成のレジュメに基づきつつ進める。読むべき副読本、例えば古典の原点や経済学史分野の良質な解説書類については、必要に応じて適宜紹介する。経済古典は難しいかもしれないけれども面白いので、ぜひ一つや二つは手に取り、自ら読み解く努力をしてほしい。 なお、「課題」とあるのは毎回の復習を兼ねたコメントシートを指す。詳細については下記「授業時間外の学修」ならびに「成績評価の方法と基準」を参照のこと。 テキスト・参考書
授業レジュメを配布する。
授業時間外の学修
(事前学修)
レジュメの当該範囲に目を通しておくこと。 (事後学修) コメントシートに取り組むこと。授業内容の確認が主たる目的だが、計算問題や論述問題などの応用編が用意される場合もある。それらにきちんと向き合っていれば、定着した知見を定期試験で遺憾なく発揮することができるだろう。コメントシートの提出締切には余裕を持たせ、じっくりと取り組み可能な時間を設ける。 成績評価の方法と基準
・学期末定期試験(70%)の結果にコメントシート(30%)の提出状況を加味し、到達目標に照らして評価する。
・コメントシートは原則として毎回2点を上限とし、計15回の提出で30点満点とする。毎回の復習だけでなく、得られた知識の応用も兼ねた問いを立てる。 ・定期試験では、コメントシートで問題にした事柄を発展させた問いを多く設ける。したがって毎回の課題に対する取り組みも然ることながら、それらを総合し、論理的に「通史」を語り得る能力も必要とされる。コツコツ積み上げていれば、自ずと身につく力を測る。 備 考
板書と口頭説明が中心となる授業ですから、必ずノートを用意してください。
ただし、レジュメ等の資料共有やコメントシート提出にはTeamsを使います。また、コメントシートの提出締切は授業当日の24時です。授業内容はすべて録画してTeams上で閲覧可能な状態にしますので、受講生の皆さんはオンライン時代の「利器」を効果的に活用しながら、毎回の課題に取り組むことができます。 担当教員の実務経験の有無
無
実務経験の具体的内容
|