シラバス情報

授業科目名
特別演習3
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-CS-213S
担当教員名
岡本 隼輔
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
基礎数学2(線形代数)
経済学入門2(マクロ)

※同年度に履修中でも構いません。
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
本講義では、産業連関表の仕組みから投入係数の計算や多産業に渡る経済波及効果の計測に至るまで、理論面で学ぶことに加え、実際に自身で計算できるようになることを目指します。また各受講生には、自身の興味のあるテーマを設定し、経済波及効果の分析を行ったレポートを作成する力を身に付けてもらいます。長期的な視野として、本講義で学ぶ内容や慣習等を、卒業論文の執筆に活かせるようになることも目的とします。

(受講生の到達目標)
到達目標1; 産業連関表が表すマクロ的な経済の世界を自身の言葉で説明できるようになる。
到達目標2; PCを用いて経済波及効果の実証分析ができるようになる。
到達目標3; 成果物として自身の設定したテーマに従った研究のまとめを執筆する。
【授業の概要】
財やサービスを生産するためには、単一の企業や産業では不十分です。今日の経済活動において、1種類の財の生産は、他地域・他産業からの中間投入があって初めて成立するものです。
例えば1本のPET飲料品を生産する場合には、PETボトル、水、香料等の中間財が必要ですが、それらを生産する際にも別の中間財が必要なはずです。言い換えると、PET飲料水への需要が高まり生産額が増えると、PT飲料品を作っている産業だけではなく、水や香料を生産している他の産業の生産額も増えると期待されます。
このように生産面で一連の経済が活発になる様を数値化したようなものを経済波及効果と呼びますが、経済政策や地域活性化の際の効果試算として、しばしば産業連関分析が用いられます。
私たちが引き起こす(缶ジュースの購入から観光時の宿泊に至るまでの)大小様々な最終需要が、日本や世界の経済にどのような影響を与えるか、を定量的に分析、算出する方法について学びます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 イントロダクション
 授業の進め方や成績評価などについて
第2回 産業連関表(1)
 産業連関表の基本的な構造について
第3回 行列(1)
 線形代数における行列について
第4回 行列(2)
 行列の和、差、積について
第5回 産業連関表(2)
 投入係数行列について
第6回 産業連関表(3)
 マクロ的な需給バランスについて
第7回 行列(3)
 逆行列について
第8回 産業連関表(4)
 レオンチェフ逆行列について
第9回 産業連関表(5)
 サプライチェーンとレオンチェフ逆行列について
第10回 産業連関表(6)
 最終需要を決定して生産額を算出する手順について
第11回 レポート作成(1)
 レポートのテーマ設定について
第12回 レポート作成(2)
 計算に必要なデータの収集について
第13回 レポート作成(3)
 行列計算ソフトウェアを用いた分析について
第14回 レポート作成(4)
 分析結果の考察について
第15回 レポート作成(5)
 レポート全体のまとめについて

(授業の方法)
第1回~第9回: 教員によるPPTや板書による講義、および受講生による演算実習
第10回~第15回: 受講生によるレポート執筆
テキスト・参考書
(テキスト)
指定なし

(参考書)
宍戸駿太郎著『産業連関分析ハンドブック』東洋経済新報社
授業時間外の学修
(事前学修)
第1回: シラバスに目を通し、世の中の経済に影響を与えそうな事柄への関心を高めてください。
第2回~第10回: 線形代数の知識について不足を感じる部分の学修
第11回~第15回: レポート作成

(事後学修)
第1回: イントロダクションで得た本講義に関するキーワードや情報を、自身で調べてください。
第2回~第10回: 講義中に得た線形代数の知識の産業連関分析への応用の再確認
第11回~第15回: 講義中に得た受講生や教員からの助言のレポートへの反映
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
1) レポート(100%)

(成績評価の基準)
1)は、上記「到達目標3」により行います。
備  考
折角の少人数講義ですので、臆せず質問することで出席者皆が多角的に学べると思います。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容