シラバス情報

授業科目名
基礎演習1
開講年次
1年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-CS-101S
担当教員名
林 直樹
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
【授業の目的】
(1)テキストを素材として、問題を発見することを習慣づける。
(2)プレゼンテーションやディスカッションに必要な基本スキルを修得する。
【受講生の到達目標】
(1)テキストの論旨を精確に読解し、的確なレジュメを作成することができる。
(2)レジュメをふまえながら自らの意見を練り上げ、明確に発表することができる。
【授業の概要】
 この授業では、現代思想とは何ぞや、という問いに手探りで臨みながら、現代社会を見る目を豊かにすることを目指す。
 などと書くと、入学したての皆さんは何やら訳の分からない不確かな世界に引き込まれそうに感じるかもしれないが、「現代思想」は字義通り現代社会を特徴づける「ものの見方」であり、そこには一定の、確かな型がある。テキストの著者である千葉雅也氏は、この型を「二項対立の脱構築」と表現している。光と闇、善と悪、上と下、左と右、といった単純な対立式を前提としながら乗り越える術が、とかく大きく振り切れて「炎上」しやすい現代において、ますます必要とされる知的技術となってきているのではないだろうか。
 語りかけるような調子で非常に読みやすく構成されているテキストは、大学生になって最初に手に取る書籍として悪くない。教員は本来、現代ではなく近代の思想史を専門としているが、近代という時代の成り立ちを「内側」から辿りながら、その先に現代を眺める道と、逆に近代の諸帰結を「外側」から批判的な目で睨みつつ、その奥に見え隠れする可能性を諦めない道とは、最終的には一致するように思っている。受講者の皆さんとともに楽しみながら学べる演習の場を形づくることができるならば、幸いである。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 ガイダンス/はじめに 今なぜ現代思想か【講義】
第 2回 デリダ:概念の脱構築(1)【演習&課題】 
第 3回 デリダ:概念の脱構築(2)【演習&課題】
第 4回 ドゥルーズ:存在の脱構築(1)【演習&課題】
第 5回 ドゥルーズ:存在の脱構築(2)【演習&課題】
第 6回 フーコー:社会の脱構築(1)【演習&課題】
第 7回 フーコー:社会の脱構築(2)【演習&課題】
第 8回 現代思想の源流:ニーチェ、フロイト、マルクス(1)【演習&課題】
第 9回 現代思想の源流:ニーチェ、フロイト、マルクス(2)【演習&課題】
第10回 精神分析と現代思想:ラカン、ルジャンドル【演習&課題】
第11回 精神分析と現代思想:ラカン、ルジャンドル【演習&課題】
第12回 現代思想のつくり方(1)【演習&課題】
第13回 現代思想のつくり方(2)【演習&課題】
第14回 ポスト・ポスト構造主義(1)【演習&課題】
第15回 ポスト・ポスト構造主義(2)【演習&課題】

 個人発表とグループ発表の二本立てで構成される。「課題」とあるのは発表に向けた準備を指す。
 まず初めに受講者全員が一人ずつ、テキスト各章の要約紹介を中心とした個人発表(レジュメを作成)を行っていく。それらがすべて済んだ段階でグループを組み、テキストの残余の諸章を軸とした総括的な発表(パワーポイント資料を作成)を行う。なお、教員はテキストの内容に適宜解説を加え、時に受講生同士のディスカッションを促しながら、個人・グループ発表内容の掘り下げを手助けする。
テキスト・参考書
千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書(2022年)
授業時間外の学修
(事前学修)
発表準備を怠らないこと。自らの担当範囲以外についても、テキストを読んでおくこと。
(事後学修)
発表後に得たフィードバックを記憶に留めておくこと。そして次回以降の発表に活かすこと。
成績評価の方法と基準
・個人発表とグループ発表における水準を、到達目標に照らして評価する。両者のウェイトは50%ずつである。
備  考
 個人発表とグループ発表の場では、単なる「レポート」に終始しないように、論点や疑問点を含めた「皆さん自身の意見」を積極的に提示するよう心がけてください。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容