教員名 : 田中 健一
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授業科目名
芸術論特講1
開講年次
1年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
担当教員名
田中 健一
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校専修免許・高等学校専修免許 美術) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・教科及び教科の指導法に関する科目 この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
主に古代乃至中世の日本の彫刻作品を詳細に観察し、主に形状および造像技法の観点から分析を加えて言語化し、先行作例・関連史料と対比して製作技法の変遷・製作者の在り方の変化を追跡する。この作業を通じて、美術作品を記述・分析し美術史上に位置付けて語る能力を涵養することを目的とする。 (受講生の到達目標) 到達目標1;美術作品を観察して形状を記述することができる。 到達目標2;美術作品をさまざまな視点から分析して記述することができる。 到達目標3;視点を明確にしながら制作や作品を語ることができる。 【授業の概要】
日本の彫刻は遺品の大部分を木彫像が占め、その造像技法も多様に展開したが、物質としての仏像について、仏教教団の公式見解では「木はもと心無し」とされた。それでは、「本来心無い木材」は、どのようにして聖性を得ることが可能と認識されたのだろうか。近年の日本彫刻史研究においては、作品の形状、造像技法の変遷、製作者の在り方の変化の背後に、そうした問題意識があったことが明らかにされつつある。本授業では、古代乃至中世の主要な彫刻作品からこの問題を考えるうえで興味深い事例を取り上げて検討を加える。
【授業計画と授業の方法】
(授業の計画)
授業で取り上げる主な課題は以下の通り。授業の具体的課題や順序は固定したものではなく、受講者の理解度や関心に応じて授業担当者が適宜調整する。 1.ガイダンス(講義) 2.木彫像の用材と構造:法隆寺夢殿観音菩薩像を中心に 3.木彫像の用材と構造:唐招提寺木彫群を中心に 4.木彫像の用材と構造:教王護国寺講堂諸像を中心に 5.木彫像の用材と構造:平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像の構造 6.木彫像の用材と構造:平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像にいたる展開 7.木彫像の用材と構造:神像彫刻の成立と展開 8.木彫像の用材と構造:神像彫刻の構造的特徴 9.木彫像の表面仕上:漆箔仕上げの表現効果 10.木彫像の表面仕上:金泥仕上げの意義 11.木彫像の像内空間:清凉寺釈迦如来立像を中心に 12.木彫像の像内空間:運慶作例を中心に 13.製作者の在り方:法隆寺金堂釈迦如来像と止利仏師 14.製作者の在り方:滋賀百済寺十一面観音立像と造仏僧 15.製作者の在り方:京都大報恩寺六観音と優塡王造像説話 16.小テスト (授業の方法) プロジェクターとスクリーンを使用して作品の画像を示しながら講義をおこなう。受講生が発話することによって、作品の鑑賞および理解を深めていく。 テキスト・参考書
使用しない。参考資料は授業内で提示する。
授業時間外の学修
各回に取り上げるテーマに関し、自身の制作や作品に即して思考することを求める。
(事前学習) 各回に取り上げる主要な作例について、美術全集などを参照し基礎情報を確認しておく。 (事後学習) 各回の講義内容に即した課題に取り組む。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
講義時の発話、講義後に提出する課題の記述内容(60%)、期末試験(40%) (成績評価の基準) 到達目標1;提出課題、期末試験等において、作品を観察して形状を記述することができている。 到達目標2;提出課題、期末試験等において、作品を様々な観点から分析することができている。 到達目標3;提出課題、期末試験等において、テーマを設定して作品について論じることができている。 備 考
担当教員の実務経験の有無
無し
実務経験の具体的内容
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