シラバス情報

授業科目名
日本歴史の流れ
開講年次
1年
開講年度学期
2024年度後期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
G-SS-112L
担当教員名
森本 幾子
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
世界歴史の流れ、経済史、日本経済史
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
本講義では、日本における歴史の変遷が、男女その他さまざまな人間の社会的関係によって構築されてきたことを学び、現代社会との比較を通じて、日本の歴史に対するより発展的な歴史的考察力を身につけることが主な目的です。

(受講生の到達目標)
到達目標1:一般的な時代区分による時代の変遷と女性の役割の変化について説明できるようになること。
到達目標2:ジェンダー規範や男女の役割分担が明確になる歴史的要因について説明できるようになること。
到達目標3:ジェンダー規範の形成過程と現代社会へのつながりについて説明できるようになること。
【授業の概要】
本講義では、おもに女性の役割に焦点を当てて日本の歴史を読み直します。歴史教科書の中では、政治・経済・文化の叙述は、男性中心に描かれることが多く、女性に関する記述は決して多いとは言えません。しかし、社会における女性の役割が重要視されるようになって以降、「女性史」「ジェンダー史」が登場し、それらは現在、歴史学研究において、主要なテーマの一つとなっています。また、近年は、多様な性の在り方が議論されるようになってきました。本講義では、まず、「女性史」「ジェンダー史」登場の社会的背景を紹介し、さらに、それぞれの時代における女性の役割を学ぶことによって、現在につながるジェンダー規範の形成過程について知ることができます。
【授業計画と授業の方法】
第1回 ガイダンス
    歴史をみる視点 、性の在り方から歴史を見直す
第2回  第1章 縄文人の男女観 
    土偶・石棒にみる縄文人の世界観
第3回 第2章 王権と女性首長の特徴
    女王卑弥呼の独身性、各地の女性首長たちの存在
第4回 第3章 『古事記』を読む①
    主要神話における女性たち
第5回 第4章 『古事記』を読む②
    律令国家と女帝、持統天皇の役割
第6回 第5章 平安貴族のジェンダー 
    出産時の祝い行事にみるジェンダー規範の形成
第7回 第6章 中世女性の権力と北条政子 
    『吾妻鏡』にみる北条政子像、時代によって変わる北条政子の評価
第8回 第7章 戦国乱世と女性たち 
    戦争と女性の地位の関係
第9回 第8章 江戸幕府と大奥の役割
    将軍の「再生産」、大奥と幕府政治の関係、憧れの就職先
第10回 第9章 江戸時代の手習い本とジェンダー規範
    「女大学絵抄」にみるジェンダー規範の形成、「家」と女性
第11回 第10章 江戸時代の異性装者(クロスドレッサー・トランスヴェスタイト)
    史料に残された異性装者、江戸時代におけるジェンダー規範の変遷
第12回 第11章 遊廓に生きた女性たち
    遊女の労働契約と労働環境、貧困と身売り
第13回 第12章 近代日本の女性と政治参加の要求
    婦人参政権を求めて、産業の発展と女性労働者、軍国主義と女性の役割
第14回 第13章 戦後日本の男女平等
    日本国憲法第24条成立過程とベアテ・シロタ草案、教育における男女平等と進学率
第15回 第14章 性のあり方から日本の歴史を振り返る(講義の総括)
    ジェンダー規範の形成から歴史をみる


(授業の方法)
講義は、15回すべてプリントを配布します。講義の前にプリントを用意しておきますので、それを取ってください。講義では、必要事項を板書しますので、配布プリントにそれぞれまとめて記入してください。板書を写真撮影することは禁止します。また、補助資料として、パワーポイントに画像を提示して説明を行います。15回の講義のうち、10回以上は課題を出し、それに対して回答してもらいます。課題に対する回答は、ポータルサイトの「課題提出欄」に直接入力をお願いします。回答のフィードバックは、次回講義時のはじめに行います。


テキスト・参考書
(参考書)総合女性史研究会編『時代を生きた女たち 新・日本女性通史』(朝日新聞出版、2010年)ほか
*講義で適宜紹介します。
授業時間外の学修
(事前学修)
前回のプリント(必要事項を記入し、各自で作成したもの)をよく読んで、次回の講義に参加するようにしてください。歴史的展開を重視する講義ですので、必ず読んでおいてください。
(事後学修)
講義終了後に、その回に学んだことに関する課題を提出することがあります。15回の講義のうち、10回以上は課題を出しますので、それに対して回答することによって復習するようにしてください。 
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
課題提出(20%)
中間試験(30%)
期末試験(50%)


(成績評価の基準)
到達目標1:一般的な時代区分による時代の特徴や変遷と女性の役割の変化について正しく答えることができる。
到達目標2:ジェンダー規範や男女の役割分担が明確になる歴史的要因について正しく答えることができる。
到達目標3:ジェンダー規範の形成過程と現代社会へのつながりについて正しく答えることができる。
備  考
1.毎回配布資料とパワーポイントを使用し、全回「講義」形式で進める。
2.講義プリントをよく読み、予習・復習(各回予習・復習とも30分程度)を行うこと。
3.板書や画面内容の写真撮影は禁止しています。必ず自筆すること。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容