教員名 : 住田 光子
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授業科目名
演劇の歴史と鑑賞
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
G-HU-221L
担当教員名
住田 光子
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
舞台芸術の主題を考えるなかで、社会とひとが劇場や演劇を通していかにつながってきたのかを分析することを目的としています。長い歴史のなかで、大衆が自分たちの形で演劇を受け入れてきたことに着目し、進化し続ける演劇の「今」を見つめます。 (受講生の到達目標) 1. 基本的目標: 演劇を鑑賞する際に、観客として問題意識を持つことができる。 2. 発展的目標: 演劇の生み出された背景についての知識をもとに、演劇を批評することができる。 3. 最終目標: 現代の演劇パフォーマンスには、その前の時代の演劇が大きな影響力を持っていることを念頭に置きながら、演劇パフォーマンスを分析することができる。 【授業の概要】
近代・現代西洋演劇の歴史の一部を概観するとともに、主にシェイクスピアを中心に、古典作品が現代演劇や映画を通してどのように変遷を遂げていったのかをみてゆく。授業においては、オリジナルとしての演劇に触れる。その上で、もっと後の時代になって、国境を越えて、演劇が新しくつくり変えられていく過程、さらには、その時代ならではの趣向が織り込まれているのかを考えてゆく。受講者は、演習形式で、舞台芸術作品の主題について考察するなかで、演劇と社会の結び付きについて意識することになるだろう。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第 1回 オリエンテーション / 劇場と観客 第 2回 前期近代演劇と現代演劇 / シェイクスピアとエリック・ロメールの『冬物語』 第 3回 前期近代演劇と現代演劇 / 『マクベス』における魔女の予言 第 4回 前期近代演劇と現代演劇 / 演出の多様性—『ハムレット』を通して 第 5回 前期近代演劇と現代演劇 / 『ハムレット』とアダプテーション 第 6回 ドラマにおける情報の可視化 —アメリカのドラマ『グッド・ドクター』 第 7回 中間試験 / 解説 第 8回 現代演劇 / ヨン・フォッセとノルウェー 第 9回 リーディング・パフォーマンス 第10回 現代演劇 / 演出—アーサー・ミラー作『るつぼ』 (1) 第11回 現代演劇 / 演出—アーサー・ミラー作『るつぼ』 (2) 第12回 映画の視点 / 戦争と情報技術 ー映画『エニグマ』 第13回 演劇と音楽 (1) 第14回 演劇と音楽 (2) 第15回 西洋演劇の歴史 まとめ (授業の方法) 中間試験(授業内レポート作成)を実施。さらに、期末レポートを課す。三分の二以上の参加が必須。 1-15回: おもに対面での講義, 演習による。演習では、論述による問題解決を通して、受講者が答えを見つけその根拠をわかりすく示すことができるように、必要なスキルを養う。 演習では、受講者が書いた論述課題を評価する(隔週ごとの課題)。受講者は、授業時間のなかで論述課題に積極的に取り組むことが大切である。時間が足りない場合は宿題にすることもある。 但し、9回: アクティブ・ラーニング、パフォーマンス、ディベートを含む。受講者は意見や考えたことを発信する。 並行して、期間中、レポート作成を通して、作品鑑賞と主体的な調べ学習を促す。中間試験と期末レポートに関しては、受講者が取り上げるテーマを選び、時間をかけて準備をすることが求められる。自分にあったテーマを主体的に見つけることを目指す。 テキスト・参考書
(テキスト) アラン・ヴィアラ著 『演劇の歴史』 [文庫クセジュ] 白水社,2008.1,050円(税別)
(参考書) 川島健 『演出家の誕生—演劇の近代とその変遷』 彩流社, 2016. 授業時間外の学修
(事前・事後学修)
テキストや資料を読む。演劇・映画をひとつ以上選び鑑賞する。鑑賞した作品について本や資料を通して知識を深める。実際に作品を観て調べる。 「事前学修」: 期間中、テキスト1冊を読み進めてほしい。なお、授業内に示すいくつかの項目については、重点的に読むこと。 また、可能であれば、授業で取り上げる戯曲・上演・映画に触れてほしい。 「事後学修」: 期間中:配布資料や提示した古典作品、戯曲や映像への理解・考察を深めること。 授業を通して印象に残った古典作品と、その演劇・映画に触れること。 足を使って実際に作品に触れ調べてほしい。ストリーミングによる演劇鑑賞も推奨する。 期間後:劇場や映画館で、自分の興味のある舞台芸術・映像に触れてほしい。 (事前・事後学修のめやす) 事前学習90分, 事後学習90分, その他 40時間:中間試験での論述課題、期末レポート作成の準備として。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
平常点 <論述シートの評価など>(40%), 中間試験(30%), 期末レポート (30%) [毎回、授業内で課題作成がおこなわれるため、15回の講義回にかかさず参加することが重要。] (成績評価の基準) 到達目標1: [授業内課題] 演習において、テーマに関する答えを簡潔にまとめることができる。 到達目標2: [授業内課題, 中間試験, 期末レポート] 演習や、論述課題・レポート作成において、演劇を通して描かれる社会やひとびとの価値観を分析し、そうしたものを土台に、テーマに関して、多様なアプローチで演劇パフォーマンスを批評することができる。 到達目標3: [中間試験, 期末レポート] 論述課題やレポート作成において、演劇の歴史に関する背景知識をもとに、演劇パフォーマンスを論じることができる。文字、映像を手掛かりに、具体的な根拠を段階的に説明することができる。 演劇の構造を意識した上で、推敲したレポートを作成している。 (授業で論述課題の評価のめやすと留意点を示します。 後半の授業で期末レポート評価のめやすを提示し、レポートの書き方のアドバイスをします。) 備 考
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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