シラバス情報

授業科目名
民俗学1
開講年次
3年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-RE-304L/G-HU-331L
担当教員名
藤井 佐美
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
民話研究(日本文学科所属の場合)
次に履修が望まれる科目
民俗学2
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
民間伝承の事例をもとに日本文化の特質を多様な観点から分析し、民俗学の研究意義と伝承上の問題について説明できるようになることを目指す。

(受講生の到達目標)
到達目標1:民俗学の研究領域や口承文芸に関する基礎知識をふまえた上で、『遠野物語』の読み方、伝承の可能性を多角的に説明することができる。
到達目標2:身近な事例と関連づけながら日本文化における伝承の特質と問題点を分析し論じることができる。 
【授業の概要】
柳田國男著『遠野物語』を文学作品・音声・映像等の傍証資料とあわせて読み解く方法を学ぶ。また、各テーマを身近な事例と関連づけ、発見や分析を文章化する課題に取り組むことにより、探究的な学びの積み重ねを具現化していく。
【授業計画と授業の方法】
(授業の計画)
第 1回 講義:ガイダンス 授業の目的・到達目標・授業進行方法の説明
第 2回 講義:民俗学の分類 目によるもの 耳によるもの 心によるもの
第 3回 講義:口承文芸の種々相 1 短詞章(ウタ・トナエ・コトワザ)
第 4回 講義:口承文芸の種々相 2 長詩章(カタリ・ヨミ・ハナシ)
第 5回 講義:聞き手と語り手・書き手と話し手 柳田国男と佐々木喜善の場合 
第 6回 講義:『遠野物語』と『遠野物語拾遺』の相違 音読・黙読・朗読
第 7回 講義:序文 柳田国男のメッセージ
第 8回 講義:土地を伝える話 地勢と神話
第 9回 講義:里と家の話 1 おしらさま伝承の背景
第10回 講義:里と家の話 2 座敷童子伝承の背景
第11回 講義:里と家の話 3 河童伝承の背景
第12回 講義:小鳥前生譚の背景
第13回 講義:山の神伝承の背景
第14回 講義:姥捨山伝承の背景
第15回 講義:まとめ 「目前の出来事」から「昔々……」への道程

(授業の方法)
第1回のガイダンスに基づき、第2回〜第6回では民俗学の分類法や多様な口承文芸と文字資料の役割を確認しながら、『遠野物語』刊行までの歴史を辿る。第7回〜第14回では『遠野物語』の各テーマを傍証資料とともに読み解き、第15回で伝承方法の特質について統括をおこなう。
毎回の課題への取り組みを必須とし、フィードバックによりテーマの連関性を確認しながら読み進める。フィードバックは個人情報を保護し適切におこなう。
テキスト・参考書
(テキスト)
各テーマにかかわる資料はポータルサイトとteamsを利用し配付するが、全内容が掲載される『遠野物語』は読解可能な物(電子書籍でも可)を各自が手元に用意しておくことが望ましい。これについては授業で紹介する。
(参考書)
授業で紹介する。
授業時間外の学修
(事前学習)
次回に取り上げるテーマに関するリサーチを進めておくこと。
(事後学習)
各回の授業テーマを身近な事例と関連づけて考察し、指定期日までに課題を提出すること。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
授業への取り組み(20%)と毎回の課題提出内容(80%)の積み重ねによる総合評価。 

(成績評価の基準)
到達目標1:『遠野物語』を傍証資料とともに読み解き、民俗学の学問領域と多様な伝承形態の役割と意義について説明することができている。
到達目標2:『遠野物語』を手掛かりに日本文化の特質を身近な事例と関連づけた上で分析し、適切な表現を用いて論じることができている。 
備  考
大学ネットワーク(ポータルサイトとteams)に接続可能な状態で受講すること。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容