教員名 : 小畑 拓也
|
授業科目名
比較文学
開講年次
3年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-CW-314L
担当教員名
小畑 拓也
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
欧米文学講義
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
「記憶」と「記録」をキーワードに、複数の文化圏のメディア事象の並置・分析を通じて、虚構の中に見られる人間主体の捉え方を新旧取り混ぜて分析、考察し、その成果を学術的語彙を用いて詳述することが目標。そのためには文字メディアはもちろん、音声、映像、複合的メディア上に展開する様々な「文学」的要素の理論的手続きに基づいた具体的読解を通じて、様々な「文学」的表現と「記憶」と「記録」との関係、さらにはそれらにまつわる種々の言説の問題点を把握することが必要となるので、授業中に解説する専門用語群を相互に関連付けて分類/整理し、各自の関心に基づいた用語集を作成する。 (受講生の到達目標) 到達目標1:授業で紹介した固有名、概念について理解し、辞書・事典等の定義・解説をもとに説明の文章をまとめることができる。 到達目標2:自ら選定した授業内容に関連する書籍について、その内容を解説する文章をまとめることができる。 到達目標3:先行研究・文献・データを活用したレポートを作成することができる。 【授業の概要】
世界のあり方を単純化するために用いられがちな「比較」という方法を世界の複雑さを記述する方法として捉え直すための契機が、地域別のメディア事象の共時的、通時的配置の分析の実践に見いだされることを確認する。多様な実例を読み解くことで、欧米主導のグローバル化の追認でも、「自文化中心主義」への「回帰」でもないオルタナティブへの入り口としての「比較文学」が成立しうる可能性を探る。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 講義:オリエンテーション、授業の目的・到達⽬標・各回授業の内容と⽅法 第2回 講義:「記憶」と「記録」の物語 声が伝えるもの 第3回 講義:「記憶」と「記録」の物語 文字が残すもの 第4回 講義:「記憶」と「記録」の物語 「きく」ことと「きこえる」こと 第5回 講義:「記憶」と「記録」の物語 「読む」ことと「読める」こと 第6回 講義:アイデンティティの場所 「記憶」がつなぐもの 第7回 講義:アイデンティティの場所 「記録」がつなぐもの 第8回 講義:アイデンティティの場所 「記憶」の呪縛 第9回 講義:アイデンティティの場所 「記録」の束縛 第10回 講義:モノの「記憶」、モノの「記録」 フェティシズムの物語 第11回 講義:モノの「記憶」、モノの「記録」 物語のフェティシズム 第12回 講義:モノの「記憶」、モノの「記録」 モノ語りの多義性 第13回 講義:物語のかけら 「復元」の想像力 第14回 講義:物語のかけら 回顧の視点 第15回 講義:物語のかけら 外挿と空想 (授業の方法) 各回授業では、取り上げるテーマに即した固有名や概念、それらを関連付けたマインドマップなどを含むスライドを提示し、口頭で解説を行う。スライドと解説をもとに各回の小テーマ、複数回にわたる中テーマ、授業全体を通しての大テーマを把握し、各自の興味を元に個人用のマインドマップ、用語集として再編成する小レポート、書評形式の中間レポート、論文形式の最終レポートを作成する。 テキスト・参考書
(テキスト)資料を配信する。
(参考書)授業中に紹介する。 授業時間外の学修
(事前学修)
2回目の授業以降、前回の授業で提示されたキーワードの辞書・事典・関連書籍等による定義・解説を整理しておくこと。 (事後学修) 授業内容を整理して、毎回の小レポート・書評課題・最終レポートに取り組むこと。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
各回ごとに授業中のメモ、ノートをもとに受講者が各自でまとめる「レジュメ」形式の小レポート(授業参加状況の確認を兼ねる)を60%、欧米文学・比較文学関連の書籍を取り上げた書評形式の中間レポートを20%、授業を通じて習得、訓練した術語、理論、文章作法を盛り込んだ最終レポートを20%として算出する。 (成績評価の基準) 到達目標1:各回の授業内容を整理、把握し、取り上げられたキーワードについて的確な説明の文章をまとめることができる。 到達目標2:授業内容に関連する書籍を自ら選定し、その内容を理解・分析し、その位置づけ説明する書評にまとめることができる。 到達目標3:授業内容に関連したテーマに基づいたテクスト分析の成果を論文形式の最終レポートにまとめることができる。 備 考
書誌情報に注目して文献資料を意識的に読む習慣をつけておくこと。授業中に提示されたキーワードを自分なりに分類・整理して、語彙を広げていけば、分析・読解の精度を高められる。
課題提示と提出は大学ポータルサイト、授業時間外の質疑応答はMicrosoft Teams上で行うので、PC等のデバイス・ネットワーク環境を整えておくこと(オンライン授業に切り替えられた場合には、Teamsの授業チャネル内でテキストによるリアルタイム授業を行う)。 担当教員の実務経験の有無
×
実務経験の具体的内容
|