シラバス情報

授業科目名
書道1
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-RE-221L
担当教員名
矢原 徳子
担当形態
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための必修科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語)
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・書道(書写を中心とする。)
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
書道2
【授業の目的と到達目標】
この授業は、中学校学習指導要領国語・高等学校学習指導要領国語の内容をふまえ、国語科書写や書道を指導するための基礎的な力を習得することを目的とする。

到達目標1  篆書・隷書・草書・行書・楷書の五書体について、その特徴を理解し説明することができる。
到達目標2  書の古典臨書学習を通して、自分の文字感覚を磨き紙面に毛筆で表現することができる。
到達目標3  書の古典学習を通して、わが国の言語文化の中で継承されてきた書の文化的価値を論じることができる。
【授業の概要】
中国書道史・日本書道史の中から古典を厳選し、古典が書かれた歴史的背景や内容について触れ、豊かな文字文化が受け継がれていることを学習する。
書体が分化し、書風が変遷する様相から、文字にはさまざまな表現があることを知り、古典臨書学習を通じて書字技術を高める。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 篆書(小臣艅犠尊銘)【講義・実習】青銅器に鋳込まれた中国殷代末の古典を半紙に全臨する。
第 2回 〃 (石鼓文・泰山刻石)【講義・実習】石に刻まれた2つの古典を通して、同じ篆書の書体でも時代とともに書風が変化することを学習する。
第 3回 隷書(魯孝王刻石・莱子侯刻石・石門頌)【講義・実習】古隷と八分隷の違いを知り、書き分けよう。
第 4回 〃 (曹全碑)【講義・実習】八分隷の美しさを学び、今なお日常生活の中で隷書が使用されていることに気づく。
第 5回 楷書(孔子廟堂碑)【講義・実習】第5回から第7回の授業は、初唐の三大家とよばれる中国能書家の楷書を臨書し、用筆法や結構法の特徴を
                     理解し表現する。
第 6回 〃 (九成宮醴泉銘)【講義・実習】
第 7回 〃 (雁塔聖教序)【講義・実習】
第 8回 〃 (写経)【講義・実習】摩訶般若波羅密多心経を書写し、写経の作法や書式を学ぶ。小楷の正整の美を追及する。
                  ※写経用紙はこちらで準備します。
第 9回 行書(蘭亭序)【講義・実習】王羲之の生涯を概観し、名品蘭亭序の前半部分を臨書する。行書の用筆法、点画の連続や省略について講義し、
                   実習で半紙練習・清書を行う。
第10回 〃 (蘭亭序)【講義・実習】半切を使用し、単体の行書で書かれた蘭亭序の行の流し方を効果的に学習する。
                   自分の名前を行書で体裁よく書けるように練習し、作品に調和した落款の入れ方を考える。
                   ※半切は、横34.5センチ、縦136センチサイズの画仙紙です。大学構内の文房具店で各自購入する。
第11回 〃 (風信帖)【講義・実習】日本の書聖・空海の名筆、風信帖について講義を行い、その後実習で半紙練習を行う。
                   次週、半切に書くことをふまえて、誤字のないように半紙練習する。
第12回 〃 (風信帖)【講義・実習】二文字の連綿や墨量の変化によって生じる気脈の通し方を、半切を使って効果的に学習する。
                   ※半切を準備する。
第13回 〃 (黄州寒食詩巻跋)【講義・実習】中国宋代の黄庭堅の題跋を学習する。実習で半紙に全臨する。
第14回 〃 (黄州寒食詩巻跋)【講義・実習】半切を使用し、行のゆれから生じる余白の効果的な見せ方について、特に意識して学習する。
                       ※半切を準備する。
                       ※大1回目〜第14回目までの全ての作品提出
第15回 草書(十七帖)【講義・実習】王羲之が蜀に住む周撫にあてて書いた手紙、29通が集められた草書の古典を学習する。半紙を使用する。
                   ※第15回目の作品提出
第16回 作品制作【実習・フィードバック】書道の授業のまとめとして、漢詩を半切に創作する。書体は習った5書体のうちから各自選ぶ。
                     ※半切を準備する。
                     ※第16回目の作品提出
 
【授業の方法について】
 古典臨書は形臨を中心に行い、段階に応じて意臨も取り入れる。講義はテキストと補助プリントを使用し、内容を深める。
 実習では机をまわり、皆さんの書の特徴や良いところを伝え、また改善点については実際に筆を持って指導する。
テキスト・参考書
「書法の美」相川政行著(二玄社)
 毎回補助プリントを配布します。
授業時間外の学修
この授業では事前学習よりも事後学習に力を入れる。
習い終わった古典について、何度も声に出して読み、折にふれて臨書をする。(既習古典の添削可)

授業を欠席した場合、後日プリントを取りに来てください。課題を指示します。
成績評価の方法と基準
授業への取り組み15%  毎回の課題内容75%  第16回創作10%の積み重ねによる総合評価
 
【評価の基準】 
書体の特徴を理解し適切に表現できている。
書式を理解し紙面に対し調和よく書けている。
備  考
第1回目の授業から習字道具(大筆,小筆,墨汁,硯,半紙,文鎮,下敷き,新聞紙,雑巾)を持参してください。
教室をきれいに使用するために、雑巾は必ず用意してください。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容