教員名 : 灰谷 謙二
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授業科目名
日本語学講義4(現代語)
開講年次
3年
開講年度学期
2024年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-JLG-314L
担当教員名
灰谷 謙二
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国語学(音声言語及び文章表現に関するものを含む。) この授業の基礎となる科目
日本語学基礎演習、日本語学概論、日本語学講義Ⅱ
次に履修が望まれる科目
現代語学専門演習ab
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
社会言語学の領域を扱います。ことばの多様性と価値づけについて研究する全体像と大きな流れ・枠組を理解します。知識を学び、多言語共存社会に起こる問題とその意味を理解します。自分の言語生活における多様なバリエーションの切り換えがどのような原理原則で行われるかを理解し、適切な言語コミュニケーションのあり方とはどのようなものかについて自分なりの考え方が持て論理的に論文レポート発表など伝えることができるようになることが目的です。 (受講生の到達目標) (知識・技能) 到達目標1:日本語学の社会言語学的領域の専門的な知識と学術的枠組みを理解、発表やレポートに活用することができる。 到達目標2:社会言語学的な調査の方法や特徴を理解して、自分の発表やレポートに活用することができる。 (思考力・判断力・表現力) 到達目標3:自分で調査した1次情報や、2次的に獲得した情報、学術的知見を適切に利用し、論理的に推論し、実証的に説明することができる。 到達目標4;学修した内容と自らの生活経験を結び付け、そのなかから主体的に問題を発見し、解決する態度がもてる。 【授業の概要】
1年の概論で日本語研究の全体像を概観し、2年の日本語学講義2で日常の音声言語を観察しそのルールを発見する手法を学びました。日本語学講義4では、そのルールに収まりきらない多様性・バリエーションに目を向けます。方言か共通語かという以外にも私達は、性別や世代、おかれた場(友達との会話かバイト先か等)などでたくさんの言葉を使い分けています。そこにはどのようなものがあり、どのような背景で使い分けられているのか、そこにどのような価値観が横たわっているのかを知りましょう。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回 講義:ガイダンス社会言語学とは 演習:トラッドギル『社会言語学』岩波新書の目次と概要を確認する。小テスト。 第2回 講義:言語と社会 演習:小テストに解答。コメントペーパーを書く。 第3回 講義:バリエーションと言語変化の関係位相論と言語変異? 演習:Changes in progressとはどのような概念かしらべてみる。小テスト。 第4回 講義:階層差と言語変異の関係位相の具体的な姿① 演習:ことばの正誤について、どのようなものが俎上にあがるかをグループワークで考えて発表する。 第5回 講義:言語の性差とは何か 位相の具体的な姿② 演習:小テスト、言語に女性性が求められる、際立たされる状況について考えてみる。 第6回 講義:生業と語彙 位相の具体的な姿 ③ 演習:アルバイト先などでの特殊な用語を探してみる。 第7回 講義:位相のプロトタイプ化と役割語 演習:小テスト、おもいつく役割語をあげてなぜそう感じられるかを考える(グループワーク)。 第8回 講義:役割語2方言を話す主人公 演習:方言をつかった創作コンテンツを探す。その使われ方を考える。(小レポート) 第9回 講義:言語行動 ヒトのコミュニケーション行動としての言語 演習:出会いのあいさつを観察する(何を書き留めるべきかを考える) 第10回 講義:言語行動 場面に応じた言語行動 演習:言語場がつくられる状況を考えてみる(グループワーク)小テスト 第11回 講義:言語接触論 演習:大学入学後に感じた他県出身者との言語的接触について振り返ってみる(グループワーク) 第12回 講義:言語接触の音声・音韻 演習:日常のなかで1つの英単語に複数の片仮名語があるものをさがす。 第13回 講義:言語接触の構造論 語彙・意味レベルの現象 演習:音楽・スポーツなど西欧からい質なものを一気に取り入れた分野の用語における借用語をあげる(グループワーク) 第14回 講義:言語における多様性維持の意味 演習:小テストとコメントペーパー 第15回 講義:まとめ 総括 演習:小テストの振り返り、試験にむけて重要な箇所の確認 (授業の方法) 講義形式で事前提示しておいたスライド資料にそった解説をおこないます。自身の経験で事例を深く理解するための小規模なフィールドワーク課題。身近な言語生活のなかの問題として考える視点を共有するグループワークと報告を適宜いれます。 テキスト・参考書
特定のテキストは指定しません。毎回スライド資料を用意しTeamsで事前配布します。
(参考書)真田信治他『社会言語学』(おうふう)、スーザン・ロメイン『社会の中の言語』(三省堂)、トラッドギル『言語と社会』(岩波新書) 授業時間外の学修
(事前学習)
できるだけ自習予告と調べておいてほしい用語については指示をしますので、言語学辞典や日本語学研究辞典などで用語レベルの予習はしておいてください。 (事後学習) 毎回の内容のポイントの理解度を確認するレベルの小テストをFormsでおこないます。自分でフィールドワーク的にデータをとる課題がある場合は1から2週間の余裕をもたせて締め切りを設定します。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
授業後の毎回の小テストと期末試験(70%)提出物(20%)、授業への参与状況(10%) (成績評価の基準) (知識・技能) 到達目標1:日本語学の社会言語学的領域の専門的な知識と学術的枠組みを理解できている。。 到達目標2:社会言語学的な調査の方法や特徴を理解して、自分の発表やレポートに活用することができている。 (思考力・判断力・表現力) 到達目標3:自分で調査した1次情報や、2次的に獲得した情報、学術的知見を適切に利用し、論理的な発表やレポートができている。。 到達目標4;学修した内容と自らの生活経験を結び付け、そのなかから主体的に問題を発見する視点をもとに発表やレポートの執筆ができている。 備 考
対面・オンラインにかかわらず、Teamsとポータルを授業情報や課題の連絡ツールとして活用します。質問・討議等にも使います。
各回に振り返り用の小テストをFormsで実施します。復習中心で、分からなかった用語の整理をしながら身近な問題のなかで学んだことを関連付ける習慣をつけてください。 オンライン授業になった場合は、Teamsとポータルによる事前資料配布、オンタイムでのリアルタイム授業、授業はできるだけ録画でオンデマンドで見られるようにしておきます。 担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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