教員名 : 灰谷 謙二
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授業科目名
日本語学講義2(現代語)
開講年次
2年
開講年度学期
2024年度後期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-JLG-212L
担当教員名
灰谷 謙二
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国語学(音声言語及び文章表現に関するものを含む。) この授業の基礎となる科目
日本語学概論
次に履修が望まれる科目
日本語学講義4
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
現代日本語の音声言語にかかわる問題を言語学的に観察し説明できる視点と方法を学ぶ。 一つの観察対象として出雲方言をとりあげ、そこにみられる音声・文法的な特色を理解していきます。 言語を記述するときの視点と方法を学び、自分の母方言について実践してみます。 第一次資料を用いてオリジナリティーのある新事実の発見を体験します。 「こうではないか?」という着想を仮説にねりあげていき、それを検証するための適切なデータを設計できるようになります。自分の見つけた法則・傾向をを論理的に表現する方法を学びます。 (受講生の到達目標) (知識・技能) 到達目標1:特定言語の記述に関する基本的な知識と研究方法が理解でき、母語への気づきと関連付けられる。 到達目標2:自分の課題を適切な用語と学術的枠組みのなかで位置づけられ、先行論をさがすことができる。 (思考力・判断力・表現力) 到達目標3:音声言語を文字資料にすることができる。それをもとに整理分析したものから論をたて人に説明できる。 到達目標4;グループワークや質疑による他者との協働のなかで自分にない視点や意見をふまえた議論ができる。 【授業の概要】
ことばのルールを発見してそれをことばで記述し人に論理的に伝えるとはどういうことなのかを学びます。ある一つの特殊な方言(出雲方言)を題材にしながら、そこにみられる音声・文法のルールを分析し、この作業の中で、歴史的日本語と方言の関係を学びます。実践として自分の郷里方言についての教科書(一回分)をつくってみます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第 1回 講義:ガイダンス(講義) 作業:小テストとコメントペーパーに対応する。 第 2回 講義:時間の表現 アスペクト(講義) 演習:自方言のアスペク表現を確認する。小テストで確認する。 第 3回 方言の音声(1) 母音 ズーズー弁から学ぶ母音の仕組み(講義) 演習:中舌母音事例の録音提出 第 4回 方言の音声(2) オ段長音の開合 auとouの歴史的な変化と方言(講義) 演習:小テスト、母音融合で語源のわからなくなった語の変化を考える。 第 5回 講義:呼びかけ・感動詞 文表現と品詞分類(講義) 演習:小テスト、日常の感動詞を記録する。 第 6回 講義:勧誘表現「う」と「よう」(講義) 演習:小テストとコメントペーパーに対応する。 第 7回 講義:授受表現・依頼表現 やり・もらいの歴史と方言(講義) 演習:小テストとコメントペーパー。 第 8回 講義:疑問表現 反応を求める表現から行為要求表現へ(講義) 演習:小テスト対応、自方言の反応要求文例をあげる。 第 9回 講義:否定表現 県別グループ発表(1)(講義・発表) 演習:発表への質問、小テスト。 第10回 講義:応答表現 県別グループ発表(2)(講義・発表)(講義) 演習:自己利益の否定応答(断りの表現)を観察する。 第11回 講義:禁止表現 県別グループ発表(3)(講義・発表) 演習: 看板課題:看板の禁止表現を画像にとって提出 第12回 講義:命令表現 県別グループ発表(4)(講義・発表) 演習:命令形をもちいた多様な表現をさがす。 第13回 講義:断定表現 県別グループ発表(5)(講義・発表) 演習:日常会話の中の「だ」相当の表現を観察記録する。 第14回 講義:待遇表現 県別グループ発表(6)(講義・発表) 演習:待遇表現の調査票を使ってみる。小テスト 第15回 講義:まとめ(講義) 演習:全体の内容を資料にそってふりかえり試験準備をする。(160分) (授業の方法) 講義形式で事前提示しておいたスライド資料にそった解説をおこないます。方言テキストをつかって、実際に発音してみる、説明を理解して練習問題を解いてみる作業、展開した説明内容にそって自身の言語経験を観察する活動を含みます。7回めくらいからから、主に出身でわけた方言地域ごとの発表をおこないます。(1グループ15分くらい) 県別発表で、協働の作業と発表があります。自分の出身方言のなかからこれはみんなに理解してほしいと思うものをピックアップし、ミニテキストをつくり、10分程度でレクチャする形式です。発表スケジュールが始まったところで講義内容の時間的な補足は、事前に準備した動画のオンデマンド教材を併用します。 テキスト・参考書
特定のテキストは指定しません。毎回プレゼンテーション資料を用意しTeamsで事前配布します。
県別発表がはじまったら、参考資料として活用するものには次のものがあります。 『日本方言大辞典』小学館 『現代日本語方言大辞典』明治書院 『講座方言学』1~10 国書刊行会 『日本のことばシリーズ』 明治書院(県別だが未完) 他、授業の中で随時紹介します。 授業時間外の学修
(事前学修)
事前にあげたスライド資料に目をとおし、知らない用語については辞書や、日本語学研究辞典などで確認をしておきます。 (事後学修) 毎回、小テストで内容の理解を確認します。事例を探す、実際にやってみるミニレポートが含まれることがあります。県別発表では対面のほかTeams上で時間外に行う質疑の記録・コメントペーパーを通じて互いの理解を深めます。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
毎回の確認テスト、期末テスト(70%)提出物(20%)授業への参与態度(10%) (成績評価の基準) (知識・技能) 到達目標1:一言語の記述に必要な視点と方法が理解できている。自身の言語観察に援用できている。 到達目標2:自分の課題を適切な学術用語で位置づけ、先行論を踏まえた議論に結び付けられている。 (思考力・判断力・表現力) 到達目標3:音声言語を文字資料にすることができ、他者と共有できる論点を設定し論理的に説明提示ができている。 到達目標4;他者との協働で自分の課題を他者と共有する主体的なとりくみができている。 備 考
対面・オンラインにかかわらず、Teamsとポータルを授業情報や課題の連絡ツールとして活用します。質問・討議等にも使います。
各回に振り返り用の小テストをFormsで実施します。復習中心で、分からなかった用語の整理をしながら身近な問題のなかで学んだことを関連付ける習慣をつけてください。 オンライン授業になった場合は、Teamsとポータルによる事前資料配布、オンタイムでのリアルタイム授業、授業はできるだけ録画でオンデマンドで見られるようにしておきます。 後半県別発表で、協働の作業と発表があります。自分の出身方言のなかからこれはみんなに理解してほしいと思うものをピックアップし、ミニテキストをつくり、10分程度でレクチャする形式です。 担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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