教員名 : 堀江 進也
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授業科目名
ミクロ経済学特論
開講年次
1年
開講年度学期
2023年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
担当教員名
堀江 進也
担当形態
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
ミクロ経済学1, ミクロ経済学2
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
この授業の目的は、市場において観察される需要と供給のそれぞれが消費者による効用最大化・支出最小化と生産者による利潤最大化・費用最少化によって形成されていることを、学部レベルよりもさらに厳密な数学に基づいた形で理解することとです。加えて、消費者については「効用最大化と支出最小化」、生産者については「利潤最大化と費用最少化」が、それぞれ双対性を持っていることを、数学的に確認します。さらに、市場において決定される取引の数量が経済全体の厚生を最大化するものであることと、そのような取引のために本来必要である多大な情報が、価格の概念の導入によって必要なくなるという「市場メカニズム」についての理解を深めてもらうこととなります。 (受講生の到達目標) (学生の到達目標) 到達目標1. 消費者の効用最大化問題と支出最小化問題間の解析学を用いた証明の実行が可能になる。 到達目標2. 生産者の利潤最大化問題と費用最小化問題間の解析学を用いた証明の実行が可能になる。 到達目標3. 厚生経済学の基本定理I・IIの証明の解析学を用いた証明の実行が可能になる。 【授業の概要】
完全競争市場を、需要サイドと供給サイドのそれぞれについて学んだ後に、これらを総じた一般均衡理論を学びます。需要サイドにおいて、消費者による効用最大化行動と支出最小化行動をモデル化し、これらふたつの間に双対性が成立することを確認します。その後に、同様のプロセスを経て供給サイドにおける生産者の利潤最大化行動と費用最少化行動について学習します。これらの双対性は、計算によってではなく証明によって成立を確認します。さらに、市場価格メカニズムによる社会厚生最大化の達成を、更生経済の基本定理I・IIの証明を通じて学習します。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第1回:予算制約(対面、ただしオンラインの場合は当日7時までに「授業資料」で連絡) 第2回:消費者の選好と効用 第3回:消費者による効用最大化問題とワルラスの需要関数 第4回:消費者による支出最小化問題とヒックスの需要関数 第5回:間接効用関数と支出関数 第6回:スルツキー方程式と双対性 第7回:企業の生産技術 第8回:企業の利潤最大化行動と供給関数 第9回:企業の費用最少化問題と供給関数 第10回:利潤関数と費用関数 第11回:利潤最大化問題と費用最少化問題の双対性 第12回:純粋交換経済(1) エッジワースボックスと純粋交換経済 第12回:純粋交換経済(2) 価格の導入 第13回:厚生経済学の基本定理Iの証明 第14回:厚生経済学の基本定理IIの証明 第15回:問題演習 (授業の方法) 授業は、板書にて行います。数学の技術については都度フォローします。 テキスト・参考書
Andreu Mas-Colell, Michael Dennis Whinston, Jerry R. Green (1995). `Microeconomic Theory', Oxford Univ Press.
授業時間外の学修
事前学習として、ひとつ前の講義についての復習を1時間以上行ってください。
事後学習として、当日の講義についての復習を1時間以上行ってください。 成績評価の方法と基準
期末試験100%
(学生の到達目標) 到達目標1. 消費者の効用最大化問題と支出最小化問題間の証明を実行できる。 到達目標2. 生産者の利潤最大化問題と費用最小化問題間の証明を実行できる。 到達目標3. 厚生経済学の基本定理I・IIの証明を実行できる。 備 考
オンラインの場合、Zoomを用いた授業となります。リンクなどの関連情報は、1回目の授業とそれに該当するポータルの授業資料として通知します。
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容
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