シラバス情報

授業科目名
国際金融論
開講年次
3年
開講年度学期
2023年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-EC-308L
担当教員名
神﨑 稔章
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
国際経済学、貨幣経済学
次に履修が望まれる科目
特になし
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
 本講義は、国際収支表や国際債券残高や外国為替市場に関する統計の読み方だけでなく、国際資本移動のメカニズム、為替レートの決定要因等の理論を説明できるようになることを目的とする。加えて、国際通貨制度の変遷を知るとともに、通貨危機や累積債務問題、ドル体制の不安定性といった喫緊の現実問題も、包括的に説明できることを目的とする。

(受講生の到達目標)
 到達目標1:国際収支表や為替レート、国際資本移動等のメカニズムを説明できる。
 到達目標2:新旧の国際収支表や外国為替市場及び国際債券残高ポジション等、IMFやBIS等の国際金融に関する統計 
      データの読み方を説明できる。
 到達目標3:通貨危機、金融危機、累積債務問題等グローバルな現実問題を説明することができる。

【授業の概要】
 国際収支や為替レート、国際資本移動等、グローバリゼーションを説明する際に必要とされる概念を主に理論的見地から学ぶ。また、現在の国際金融問題を読み解く為には、国際マクロ経済が説明する経済理論だけではなく、国際決済から始まる基軸通貨を含む国際通貨制度の歴史、通貨危機の原因、及累積債務問題等現実に生じる現実問題を理論と比較しつつ、その対応策を説明できる力を養う。本講義では、確率及び微分の知識が必要となる。
【授業計画と授業の方法】
第1回  オリエンテーション
      金融グローバル化・国際資金の動き(講義)
第2回  国際収支(1)(講義)
      旧マニュアル
第3回  国際収支(2)(講義)
      新マニュアル 
第4回  国際収支(3)(講義)
      国際収支統計と対外ポジション・グローバルインバランス
第5回  国際資本移動(1)(講義)
      国際金融取引の存在理由・異時点間の効用最大化問題 
第6回  国際資本移動(2)(講義)
      累積債務問題
第7回  外国為替(1)(講義)
      為替・立替と外国為替市場
第8回  外国為替(2) (講義)
      マーシャルラーナー条件・Jカーブ効果
第9回  国際収支と外国為替(講義)
      国際収支と外国為替の需給関係
第10回 購買力平価説(講義)
      国際収支と外国為替・商品裁定と一物一価の法則・バラッサ=サミュエルソン効果
第11回 金利平価説(講義)
      金利裁定と為替リスク 
第12回 為替相場の応用理論(講義)
      オーバーシューティングモデル・ポートフォリオバランスモデル
第13回 為替介入と経済政策(講義)
      不胎化介入・マンデルフレミングモデル
第14回 通貨危機の発生メカニズム(講義)
      外貨準備とシャドウレート・複数均衡
第15回 国際通貨体制(講義)
      国際金本位制・ブレトンウッズ体制・変動相場制度のドル体制

(授業の方法)
 授業は15回全て、パワーポイント等で作成されたスライドを用いて教員が講義する形で行う。。必要に応じて、定義や計算問題の解説等は、黒板に記載する。講義資料は事前にkyouzaiフォルダやポータル等で配布する。講義中に復習問題を出す。 
テキスト・参考書
(テキスト)
 事前に配布する講義資料を読んで学習してください。

(参考書)
 Paul R. Krugman and Maurice Obstfeld, International Economics: Theory and Policy, Pearson Education (US); 8th International,2008(邦訳P.・R・クルーグマン、M・オブズフェルド「クルーグマンの国際経済学 第8版」下巻、金融編). 高木信二著「入門 国際金融 第4版」日本評論社、2011年。小川栄治著「国際金融入門」日本経済新聞社、2002年。 
授業時間外の学修
(事前学修)事前に配布する講義資料を用いて、予習を行うこと。また、必要に応じて参考書を参考にしてください。
(事後学修)講義時間中に出題する練習問題に取り組んでください。また、次回講義時の解説により、練習問題の回答が間違っていた場合や理解が足りないと感じた場合は、復習してください。 
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
期末試験(100%)

(成績の基準)
到達目標1: 国際金融の考え方や専門用語に関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ている。
到達目標2: 国際金融データに関する知識を問う問題に正しく答えることが出来ている。
到達目標3: 国際貸借の発生理由を図表を持ちながら説明することができ、また、マーシャルラーナーの条件、金利平価条件、購買力平価、マネタリーモデル、ポートフォリオバランス効果、マンデルフレミングモデルや、通貨危機に関する計算問題を解くことが出来ている。 
備  考
担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容