人間工学概論

2年

2023年度前期

2.00単位

A-RC-231L/G-NS-231L

神邊　篤史

単独

（授業の目的）
人間の特性を知り、それに合わせたモノや環境を工学的に設計する基本的な方法について理解できるようになる。そして、その知識を応用して、身の回りにある人間工学的課題に対して解決方法を提案できるようになる。

（受講生の到達目標）
・到達目標１：使いにくいモノ（環境）、操作を誤りやすいモノ（環境）を指摘することができる。
・到達目標２：人間の物理的特性、生理的特性、心理的特性を理解することができる。
・到達目標３：人間工学、感性工学における計測データを用いて、製品の設計、改善案を提案できるようになる。

人間工学は、人間の活動の全ての場面において、安全・快適、そして楽しく仕事・作業や生活ができるように環境の改善を行う研究の領域である。ここでいう環境は、私達を取り巻く建物全体から、一つ一つの道具にいたる人工物と、職場の雰囲気といった目に見えない環境までを含み、その対象は広い。この授業では、人間の身体的、心理的特性について、加齢に伴う特性の変化も含めて説明する。そして、人間の特性に合わせたモノや環境のデザイン、すなわち設計における工学的アプローチについて概説する。

（授業計画）
第 1回　イントロダクション：人間工学とは、その対象は『講義』
第 2回　フィールドワークによる「使いにくさ」や「誤り」の発見『講義』
第 3回　生体システムから見たオフィス、工場における腰痛対策『講義』
第 4回　製品・サービスの感性評価『演習』
第 5回　作業分析による労働管理『講義』
第 6回　製品開発のための生理学的測定法『講義』
第 7回　製品開発のための心理学的測定法『講義』
第 8回　ユーザビリティとアクセシビリティ『演習・講義』
第 9回　ヒューマンエラーの発生要因とリスクマネジメント『講義』
第10回　人間の認知とその情報処理『講義』
第11回　人間中心設計『講義』
第12回　計測データの分析方法『講義・演習』
第13回　ユニバーサルデザインとバリアフリー『講義』
第14回　心身に障害のある人を支える技術『講義』
第15回　感性工学：人の感性に合った製品開発、講義全体の総括『講義』

（授業の方法）
演習を実施する回では、感性人間工学手法による製品の設計手法を実際に体験したり、芸術性とユーザビリティの両立などについて例題をもとに検討していただきます。なお、受講生の理解状況によって授業の進行を一部変更することがあります。

テキスト
PowerPointで必要な資料を提示します。

参考書
長町三生（編）：「商品開発と感性」、海文堂出版、2005（ISBN : 978−4−303−72391−0）
長町三生（監）：「感性工学とAI、VRへの応用」、海文堂出版、2021（ISBN : 978−4−303-72398-9）

（事前学修）
第1回授業の前に、身の回りにある「使い勝手の悪いモノ」を見つけてください。集中講義2日目以降では、各授業回の授業テーマについてキーワードを把握しておいてください。詳細は第1回授業で説明します。

（事後学修）
各授業回で紹介した課題解決アプローチを、身の回りにある「使い勝手の悪いモノ」に当てはめられるか検討してください。

（成績評価の方法）
授業へのコメント、質問など積極的な取り組み（30%）
レポート課題の解答の品質（40%）
試験（30%）

（成績評価の基準）
・到達目標１：使いにくいモノ（環境）、操作を誤りやすいモノ（環境）を自ら探し出し、指摘することができている。
・到達目標２：人間の物理的特性、生理的特性、心理的特性を計測する方法が理解できている。
・到達目標３：人間工学、感性工学手法による製品の評価方法を提案し、さらに設計理論を活用した製品の設計、改善案を提案できるようになる。

必須ではありませんが、授業へのPCの持ち込みを推奨します。また、演習課題の一部と試験では電卓を使用しても構いません。
この授業では、ユーザに喜ばれる新製品開発の手法を紹介します。デザイナー視点、エンジニア視点双方から見た新製品の企画、設計、開発に興味のある方の受講を特に歓迎します。

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