教員名 : 赤木 範陸
|
授業科目名
テンペラ画技法演習
開講年次
2年
開講年度学期
2023年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
A-SF-223S
担当教員名
赤木 範陸
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
絵画は物理的には支特体と絵の具により成り立ち、絵の具は顔料と結合材の違いにより、異なる視覚効果を付与される ことになる。この絵の具が重層的に塗り重ねられた際の物理的、視覚的特質を理解し、各自が自らの絵画制作に応用す る力を習得できることが望ましい。 (受講生の到達目標) 到達目標 1; テンペラ画表現の基礎的な技術と知識を学び、素材の特性を知ることができる。 到達目標 2; テンペラ画の制作技術を修得し、課題制作に活用することができる。 到達目標 3; 制作スケジュールを自己管理することができる。 【授業の概要】
ヨーロッパ中世末期に成立した古典絵画技法から絵画の物理的構造を理解し、顔料が如何なるメディウムで溶かれ、絵の具として用いられたかを知り、どのように描かれたかをプロセスによる制作を通して探ることで、材料と技法が生み出している重層構造の視覚的効果を経験し、絵画理解を深める.
油彩画以前の絵画技法であるテンペラ技法演習では、エマルジョンキャンヴァスを自製し、テンペラで絵の具を練り、モチーフを観察しながら制作する。 【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第 1回 オリエンテーション(テンペラ画の歴史の概要、手順の説明等)(講義)(演習) 第 2回 F15号木枠の生麻布張り、前膠塗り (演習) 第 3回 エマルジョン地塗り溶液を作成、前日に前膠塗りを施した生麻布への地塗り (演習) 第 4回 エマルジョンキャンヴァスに素描(描画用具は木炭、鉛筆等)(演習) 第 5回 卵テンペラメディウム作製、単色(バーントシエ ンナ等)のテンペラ絵具による下層描き(演習) 第 6回 卵テンペラの下層描き完成(演習) 第 7回 着色樹脂によるインプリマトゥーラ (演習) 第 8回 白色テンペラ絵の具による白色モデリング(明部のみを描く) (演習) 第 9回 白色モデリングの完成、白色テンペラ絵の具による薄白掛け(演習) 第10回 ラズール層(ここでは着色樹脂を使う) を施す (演習) 第11回 テンペラ絵の具による上層描き1(ローカルトーンの描きいれ) (演習) 第 12回 テンペラ絵の具による上層描き2(ローカルトーンの描きいれ) (演習) 第13回 テンペラ絵の具による上層描き3(ディテール描きいれ)(演習) 第14回 テンペラ絵の具による上層描き4(作品全体の調整)(演習) 第15回 作品講評 (発表) (授業の方法) 本演習は、講義と実制作で構成されています。 初回にガイダンスを行い、2回目以降の課題制作では工程ごとに画材や制作方法を説明しながら制作を進めていきます。 テキスト・参考書
オリジナルテキスト
マックス・デルナー「絵画技術体系」美術出版社 授業時間外の学修
事前学修 課題の内容と制作工程を確認し、必要な道具と資料を準備する。
事後学修 期間内に終わるよう各自で制作を進めておく。 成績評価の方法と基準
( 成績評価の方法 )
制作態度 (30%)、プレゼンテーション (10%)、作品評価 (60%)。
( 成績評価の基準 ) 到達目標 1; テンペラ画表現の基礎的な技術と知識を学び、本演習を通じて素材の特性を知ることができている。 到達目標 2; テンペラ画の制作技術を修得し、課題制作に活用することができている。 到達目標 3; 本演習において、制作スケジュールを自己管理することができている。 備 考
テキストは事前に必ず読み疑問点を把握しておく事。授業で何かをしてくれる事を待っているだけでは何も得られない。自ら深究する態度が必要である。
担当教員の実務経験の有無
〇
実務経験の具体的内容
創作活動、制作活動を行っている芸術家による実習
|