教員名 : 杉山 卓史
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授業科目名
比較芸術論
開講年次
3年
開講年度学期
2023年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-IC-302L/A-IC-301L
担当教員名
杉山 卓史
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
美学
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
「芸術」にかんするさまざまなことがらを「比較」することが、20世紀後半以降の美学界において一大潮流となった「分析美学」の考え方・道具立てを用いてできるようになる。 (受講生の到達目標) ・到達目標1:「芸術」にかんするさまざまなことがらについて、自明視せず疑問を持つことができる。 ・到達目標2:「芸術」にかんするさまざまなことがらを、単に好き嫌いではなく論理的に「比較」し、それを言語で明晰に表現することができる。 ・到達目標3:分析美学の考え方・道具立てを知り応用することができる。 【授業の概要】
「分析美学(analytic aesthetics)」とは、20世紀に誕生した「分析哲学」の美学への応用で、「美とは、芸術とは何か」といった抽象的な問いではなく「芸術は定義可能か」「贋作の何が問題なのか」といった身近で具体的な問題を明晰な論証を通じて考察する美学の一分野です。この授業では、この分析美学の考え方や道具立てを用いて、芸術にかんするさまざまなことがらを比較考察していきます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第 1回 イントロダクション(講義) 第 2回 「分析美学」とは何か(講義) 第 3回 「芸術」と「非芸術」の比較①定義不可能派の主張の検討(講義) 第 4回 「芸術」と「非芸術」の比較②定義可能派の主張の検討(講義)(講義) 第 5回 第2〜4回(第1日目)のまとめと補足(講義) 第 6回 「真作」と「贋作」の比較①真作と見分けのつかない贋作の何が(法的・倫理的にではなく美的・芸術的に)問題なのか(講義) 第 7回 「真作」と「贋作」の比較②贋作可能な芸術と贋作不可能な芸術(講義) 第 8回 芸術の諸形式(ジャンル)間の比較(講義) 第 9回 第6〜8回(第2日目)のまとめと補足(講義) 第10回 芸術作品のもつ諸価値の比較①valueとprice(講義) 第11回 芸術作品のもつ諸価値の比較②芸術的価値と美的価値(講義) 第12回 芸術作品のもつ諸価値の比較③芸術的価値と倫理的価値(講義) 第13回 第10〜12回(第3日目)のまとめと補足(講義) 第14回 諸文化間の芸術形式の比較①分析美学は非西洋圏の芸術をどう論じてきたか(講義) 第15回 諸文化間の芸術形式の比較②文化的盗用(講義) 第16回 論述試験(電子機器以外持込自由で実施予定) (授業の方法) 担当教員による講義が主ですが、各トピックごとに、①担当教員から芸術の比較をめぐる具体的な「問い」を投げかける②それを受講者のみなさんに考え答えてもらう③それが「プロ」の流儀ではどのように論じられているかを講義形式で紹介する、というサイクルで進めますので、特に②においては受講者のみなさん自身に日々の経験に照らし合わせて考えてもらうことが重要です。もちろん③に対する質問・コメントも歓迎します。また、分析美学の「原典」に触れてもらう機会も設ける予定です。 テキスト・参考書
教科書は使用しません。参考書は授業中に適宜紹介しますが、さしあたりロバート・ステッカー(森功次訳)『分析美学入門』勁草書房、2013年、を挙げておきます。
授業時間外の学修
事前学修:指定された文章(英語で書かれたものを含む)を読み、関連することがらについて調べる。
事後学修:授業内容について要点を整理する。授業で扱われた内容のうち、関心を抱いたことがらについて主体的に調べて知識・考え方を深める。授業で紹介した問題を授業で取り上げられなかった別の問題に適用してみる。 成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
各トピックの最初に投げかける「問い」への回答20%(=A)+毎回(ないし数回ごとに)課す小レポート40%(=B)+最終論述試験40%(=C) (成績評価の基準) 到達目標1:「芸術」にかんするさまざまなことがらについて、自明視せず疑問を持つことができる。 到達目標2:「芸術」にかんするさまざまなことがらを、単に好き嫌いではなく論理的に「比較」し、それを言語で明晰に表現することができる。 到達目標3:分析美学の考え方・道具立てを知り応用することができる。 備 考
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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