シラバス情報

授業科目名
人生の哲学
開講年次
1年
開講年度学期
2023年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
G-HU-101L
担当教員名
松井 富美男
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(授業の目的)
この授業の目的は、現代社会の諸問題に柔軟に対処できる哲学的思考力を養うことです。哲学には覚えなければならない知識はほとんどありません。それよりも大事なことは、当たり前だと思われている諸事象に目を向けて、「なぜか?」と問を発することです。最終的にその答えを見いだせなくとも、物事の本質や根源を見極めようとする姿勢が哲学では求められます。こうした探究心は人生においても有効です。人間の生き方に関する「知」を取り扱う学問は、哲学の中でも倫理学と呼ばれます。倫理学には大きくみて規範倫理学とメタ倫理学と応用倫理学に分かれます。本授業ではこのうち、善や正義とは何か、いかに行為すべきか、といった問題を考える規範倫理学を中心に取り上げます。
(受講生の到達目標)
到達目標1;人生の課題に主体的に取り組むことができる。
到達目標2;問題の本質を見極めて、適切に対処することができる。
到達目標3;物事を多面的に眺めて、妥当な判断をくだすことができる。
【授業の概要】
この授業では記憶力よりも思考力が試されます。各種の倫理問題を解くときに必要なのは、答えを導出するための根拠(理由)です。よい根拠というのは、説得力に富んで受け入れやすいものです。このような妥当な根拠を見いだすのに役に立つのは倫理思想です。授業では高名な思想家たちを取り上げて、その主要な考え方を紹介します。そして規範、行為、義務、自律、価値、愛などの倫理的な基本概念について学びます。こうすることで「よく生きる」ための哲学的なチャートを得ることができます。
【授業計画と授業の方法】
(授業計画)
第 1回 オリエンテーション、哲学の発祥と形成について講じる(講義)
第 2回 常識と哲学的な見方の相違点を説明する(講義)
第 3回 ソクラテスを範にして「よく生きる」の意味を考える(講義)
第 4回 倫理学に特有な「学」の意味を検討する(講義)
第 5回 動機主義と帰結主義の相違点を説明する(講義)
第 6回 義務倫理学の考え方を示して、その問題点を探る(講義)
第 7回 義務の起源と自律の根拠について講じる(講義)
第 8回 功利主義の考え方を示して、その問題点を探る(講義)
第 9回 規則功利主義と行為功利主義の相違点を説明する(講義)
第10回 古代から近代までの正義論について講じる(講義) 
第11回 ロールズの正義論の骨子を示し、その問題点を探る(講義)
第12回 相対的価値論と絶対的価値論の相違点を説明する(講義)
第13回 情緒主義的価値論の考え方を示し、その問題点を探る(講義)
第14回 ルサンチマンを価値論的に解釈する(講義)     
第15回 愛の倫理の意義について講じる(講義) 
第16回 試験
(授業の方法)
第1回から第15回まで 約80分間のPPTを用いた講義をおこない、残りの時間(約10分間)
を授業に関連した小レポートの作成に当てる
第16回 授業理解度をはかる筆記試験をおこなう

テキスト・参考書
教科書は使用しない。授業資料を配信する。
授業時間外の学修
(事前学習)
当日の授業資料をポータルサイトに掲載するので、事前に目を通して、知らない言葉や用語があればその意味を調べ、だいたいの流れを掴んで授業に臨むこと。
(事後学習)
授業内容を思い出して、後日のためにポイントを文章の形でまとめておくこと。
成績評価の方法と基準
(成績評価の方法)
各回の小レポートと期末の筆記試験を併せて総合的に評価する
(成績評価の基準)
小レポートを1回分2点で30点満点(30%)とし、期末試験を70点満点(70%)として合算する。
備  考
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容