シラバス情報

授業科目名
税務事例特論
開講年次
1年
開講年度学期
2022年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
担当教員名
前田 謙二
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
研究演習2(同時履修)、租税論特論、研究演習1
次に履修が望まれる科目
研究指導(論文指導)1、研究指導(論文指導)2
【授業の到達目標及びテーマ】
判例をしっかり読み込み理解することで、新たな論点を抽出したり、自分の考え方を深めることができるようになります。修士論文の作成に関して、租税法の解釈論をまず習得する必要があります。判例の原文も読み、判例の読み方などを習得し、判例評釈を作成できることを目指します。

【授業の概要】
判例集を使い、個別判例を詳細に読み込んでいきます。原則として、判例評釈を事前に必作成してもらい、授業で発表してもらいます。その発表に基づき、議論していきたいと思います。なお、必要に応じて、関連する税法の基本概念も確認していきます。
【授業計画】                 講    義    内    容
院生の研究テーマに則した判例等を取り上げる予定です。
以下は、法人税法における検討すべき主な判例での講義の例示です。

第 1回 判例研究のための基礎知識や法人税法の知識の整理(講義、演習、グループディスカッション)
第 2回 低廉譲渡と法人税法22条2項(最判H7・12・19)(演習、グループディスカッション)
第 3回 無利息融資と法人税法22条2項(清水惣事件)(演習、グループディスカッション)
第 4回 法人税法22条2項にいう「取引」の意味(オウブンシャホールディング事件)(演習、グループディスカッション)
第 5回 権利確定の意義(東京高判H23・3.30) (演習、グループディスカッション)
第 6回 脱税工作のための支出金の損金性(最判H6・9・16)(演習、グループディスカッション)
第 7回 減価償却資産の単位(NTTドコモ事件)(演習、グループディスカッション)
第 8回 公正処理基準(ビックカメラ事件)(演習とグループディスカッション)
第 9回 確定決算主義(福岡高判H19・6・19)(演習、グループディスカッション)
第10回 貸倒れの意義(興銀事件)(演習、グループディスカッション)
第11回 事前確定届出給与(東京地判H24・10・9)(演習、グループディスカッション)
第12回 交際費の意義(オリエンタルランド事件)(演習、グループディスカッション)
第13回 同族会社の行為計算の否認と法人税(最判S33・5・29)(演習、グループディスカッション)
第14回 収益事業の意義(ペット葬祭業事件)(演習、グループディスカッション)
第15回 独立企業間価格の意義(アドビ事件)(演習、グループディスカッション)

各回授業の事前・事後学習にはおよそ1時間程度を必要とし、各回の判例を事前に原文で読み、各回の講義で自分の理解や考えを基に議論すること。
テキスト
金子宏ほか編『ケースブック租税法(第5版)』(引文堂、2017)
中里実ほか編『租税判例百選(第7版)』(有斐閣、 2021)
参考書・参考資料等
金子宏『租税法(第24版)』(弘文堂、2021)など
学生に対する評価
発表の内容、講義での発言、出席状況に、判例評釈のレポートを加味して総合的に評価します。
備  考
院生の論文テーマによって、講義内容等を変更します。
オンライン授業の場合は、teamsを用いたリアルタイム授業を行います。