シラバス情報

授業科目名
簿記論特論
開講年次
1年
開講年度学期
2022年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
担当教員名
津村 怜花
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(高等学校専修免許 商業)
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・教科及び教科の指導法に関する科目
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
財務会計特論、管理会計特論
【授業の到達目標及びテーマ】
会計を考えるうえで、会計基準などを支える土台としての知識である複式簿記を学ぶことは有益である。このため、本講義では、複式簿記の生成から会計学への発展過程を学ぶ。その上で、以下の知識を習得するとことを、到達目標とする。

1.複式簿記の起源説と要件について説明できる。
2.複式簿記から簿記理論、そして会計理論への生成過程について説明できる。

【授業の概要】
日本では、2010年より国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)が導入され、会計基準の変更等も行われている。このような中、会計基準などを考えるうえで土台となる知識として複式簿記を学ぶことは重要である。本講義では、13〜14世紀に複式簿記が生成した過程にさかのぼり、複式簿記の根本原理を学ぶとともに、その後会計学へと複式簿記が理論的に発展する過程の理解を深めることを目的とする。
【授業計画】                 講    義    内    容
※毎回授業前には、予習として該当する教科書の章などをよく読み、ミニレポートを作成すること(所要時間は1時間程度)。また講義後は復習を行い、知識の整理を行うこと(所要時間は30分程度)。

※授業では毎回、講義の後に報告・討論を行う。

 第1回 オリエンテーションー債権債務の記録ー
 第2回 複式簿記の誕生と起源説(序章)
 第3回 フランスの簿記事情と会計規定の成立・展開(第1章)
 第4回 ネーデルラント会計史の現代的意義(第3章)
 第5回 15〜19世紀のイギリスの簿記事情(第4章)
 第6回 アメリカへの複式簿記の移入と簿記理論の体系化(第5章)
 第7回 株式会社会計の起源(第7章)
 第8回 株式会社制度確立期の財務報告実務(第8章)
 第9回 株式会社と会計専門職業(第10章)
 第10回 会計理論の生成と展開1(第13章)
 第11回 会計理論の生成と展開2(第13章)
 第12回 和式帳合と複式簿記の輸入(第6章)
 第13回 日本における複式簿記の理論展開(配布資料)
 第14回 現代会計へのプロローグ(結章)
 第15回 これまでの内容の確認と質疑応答
テキスト
中野常男・清水泰洋編著『近代会計史入門』同文舘出版、2019年。
この他、必要に応じて資料を配布する。
参考書・参考資料等
三光寺由実子『中世フランス会計史ー13-14世紀会計帳簿の実証的研究ー』同文舘出版、2011年。
中野常男『会計理論生成史』中央経済社、1992年。
中野常男編著『複式簿記の構造と機能—過去・現代・未来—』同文館出版、2007年。
平林喜博編著『近代会計成立史』同文舘出版、2005年。
ジェイコブ・ソール著・村井章子訳『帳簿の世界史』文藝春秋、2015年。
学生に対する評価
報告60% 質疑40% を踏まえ、総合的に評価する。
備  考
オンライン授業を十する場合は、teamsを用いたリアルタイム授業とする。
なお、受講生の興味・関心を踏まえ、講義計画を変更することもありうる。