シラバス情報

授業科目名
日本語学講義2(現代語)
開講年次
2年
開講年度学期
2022年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
J-JLG-212L
担当教員名
灰谷 謙二
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語)
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国語学(音声言語及び文章表現に関するものを含む。)
この授業の基礎となる科目
日本語学概論
次に履修が望まれる科目
日本語学講義4
【授業の目的と到達目標】
現代日本語の音声言語にかかわる問題を言語学的に観察し説明できる視点と方法を学ぶ。
一つの観察対象として出雲方言をとりあげ、そこにみられる音声・文法的な特色を理解していきます。
言語を記述するときの視点と方法を学び、自分の母方言について実践してみます。
第一次資料を用いてオリジナリティーのある新事実の発見を体験します。
「こうではないか?」という着想を仮説にねりあげていき、それを検証するための適切なデータを設計できるようになります。自分の見つけた法則・傾向をを論理的に表現する方法を学びます。
【授業の概要】
ことばのルールを発見してそれをことばで記述し人に論理的に伝えるとはどういうことなのかを学びます。ある一つの特殊な方言(出雲方言)を題材にしながら、そこにみられる音声・文法のルールを分析し、この作業の中で、歴史的日本語と方言の関係を学びます。実践として自分の郷里方言についての教科書(一回分)をつくってみます。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 ガイダンス(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 出雲方言の会話をきいてみる(60分)
第 2回 時間の表現 アスペクト(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 指定された文脈の「ている」を含んだ談話を母方言訳してみる(120分)
第 3回 方言の音声(1) 母音 ズーズー弁から学ぶ母音の仕組み(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 レポート:授業で学んだ中舌母音を録音しデータで提出(150分)
第 4回 方言の音声(2) オ段長音の開合 auとouの歴史的な変化と方言(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 連母音融合で語形のわかりにくくなったものの語源をさぐる(120分)
第 5回 呼びかけ・感動詞 文表現と品詞分類(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 日常会話の中の感動詞を記録する(120分)
第 6回 勧誘表現「う」と「よう」(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 紹介した文献をさがして読む(150分)
第 7回 授受表現・依頼表現 やり・もらいの歴史と方言(講義)
・事前課題 授受表現とはなにかしらべておく(20分)
・事後課題 日常のやりもらいを観察する(180分)
第 8回 疑問表現 反応を求める表現から行為要求表現へ(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 自分の母方言の反応要求を観察する(160分)
第 9回 否定表現 県別グループ発表(1)(講義・発表)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 日常の自分の打消しが「ん」「ない」のどちらになっているか観察する(150分)
第10回 応答表現 県別グループ発表(2)(講義・発表)(講義)
・事前課題 事前資料を読む(20分)
・事後課題 ミニレポート 断りの応答表現を観察する(160分)
第11回 禁止表現 県別グループ発表(3)(講義・発表)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 看板課題:看板の禁止表現を画像にとって提出(150分)
第12回 命令表現 県別グループ発表(4)(講義・発表)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 命令ではない命令形をさがす(150分)
第13回 断定表現 県別グループ発表(5)(講義・発表)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 日常会話の中の「だ」相当の表現を観察記録する。(150分)
第14回 待遇表現 県別グループ発表(6)(講義・発表)
・事前課題 事前資料を読む(20分)
・事後課題 自分の使っている待遇表現を調査票にしたがって整理する(160分)
第15回 まとめ(講義)
・事前課題 事前資料を読む(20分)
・事後課題 全体の資料をふりかえり試験準備をする。(160分)
テキスト・参考書
特定のテキストは指定しません。毎回プレゼンテーション資料を用意しTeamsで事前配布します。
授業時間外の学修
『日本方言大辞典』小学館
『現代日本語方言大辞典』明治書院
『講座方言学』1~10 国書刊行会
『日本のことばシリーズ』 明治書院(県別だが未完)
他、授業の中で随時紹介します。
成績評価の方法と基準
テスト(60%) 発表・提出物(30%) 授業への参与状況(10%)
備  考
対面・オンラインにかかわらず、Teamsとポータルを授業情報や課題の連絡ツールとして活用します。質問・討議等にも使います。
各回に振り返り用の小テストをFormsで実施します。復習中心で、分からなかった用語の整理をしながら身近な問題のなかで学んだことを関連付ける習慣をつけてください。
オンライン授業になった場合は、Teamsとポータルによる事前資料配布、オンタイムでのリアルタイム授業、授業はできるだけ録画でオンデマンドで見られるようにしておきます。

後半県別発表で、協働の作業と発表があります。自分の出身方言のなかからこれはみんなに理解してほしいと思うものをピックアップし、ミニテキストをつくり、10分程度でレクチャする形式です。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容