シラバス情報

授業科目名
日本文学史5(近代)
開講年次
1年
開講年度学期
2022年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
J-JLT-115L
担当教員名
原 卓史
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
日本文学講読
【授業の目的と到達目標】
・学生が日本近現代文学の代表的な作品を読み、文芸思潮史への理解、作家・作品の特徴の把握、作品読解の方法などの力をつけることを目標とする。
【授業の概要】
・近現代文学における主要文芸思潮史の代表的短編小説を、毎回二作品ずつ取り上げて解説する。
・作品、作家、文芸思潮史的な特徴の解説だけでなく、同時代の文学との関わりなども解説する。
・授業の流れは、以下の通り。①授業開始までにその回の作品を読み終える。②授業を受講する。③授業後、感想文もしくは授業中の質問に答えたリアクション・ペーパー(課題作成時間は20分程度、字数は200〜400字程度)を提出する。④翌週の授業の冒頭でいくつかのリアクションペーパーを紹介する。
・授業資料(レジュメ)には、いくつか質問項目を入れているので、それらの質問について、学生たちからの意見を求める場合がある。その他、学生たちで話し合いをするような時間をとることも工夫してみたい。
・予習は、作品と文学史(国語便覧)の該当個所を事前に読んでおくこと。復習は、こまめにノートをとったり授業用のファイルを作成したりして、それを踏まえて作品を読み返すこと。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 【ガイダンス】 授業方針の説明(講義)
・事前課題 事前資料を読む(30分)
・事後課題 授業の流れを把握する(60分)
第 2回 【近代の出発】坪内逍遥「小説神髄(抄)」、二葉亭四迷訳(ツルゲーネフ作)「あひびき」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
・「小説神髄」は、「小説の主眼」、「小説の種類」の章を読んでおくこと。
第 3回 【紅露の時代】尾崎紅葉「拈華微笑」、幸田露伴「対髑髏」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 4回 【明治20年代の文学】樋口一葉「十三夜」、泉鏡花「龍潭譚」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 5回 【自然主義】島崎藤村「突貫」、田山花袋「蒲団」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 6回 【漱石と鴎外】夏目漱石「夢十夜」、森鴎外「蛇」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 7回 【耽美派】谷崎潤一郎「刺青」、佐藤春夫「西班牙犬の家」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 8回 【白樺派】志賀直哉「范の犯罪」、有島武郎「一房の葡萄」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第 9回 【新思潮派】芥川龍之介「藪の中」、菊池寛「形」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第10回 【私小説】葛西善蔵「椎の若葉」、近松秋江「黒髪」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第11回 【新感覚派】横光利一「蠅」、川端康成「夏の靴」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第12回 【プロレタリア文学】葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」、宮本百合子「築地河岸」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第13回 【モダニズム】堀辰雄「燃ゆる頬」、梶井基次郎「愛撫」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第14回 【昭和十年代】太宰治「佐渡」、中島敦「名人伝」(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)
第15回 【無頼派】織田作之助「木の都」 坂口安吾「桜の森の満開の下」+まとめ(講義)
・事前課題 作品を読むとともに、『国語便覧』(日本文学史)の該当箇所に目を通す(120分)
・事後課題 感想文もしくは授業中の問いに答える(60分)

課題への取り組みは第一〆切(授業の翌日)までに提出した学生には加点し、第二〆切(授業直後の最初の日曜日)までに提出した学生にはその回の課題について合格点を与える。
テキスト・参考書
・授業で取り上げる多くの作品は、多くが青空文庫をはじめ、ウェブ上で読むことができる。
・志賀直哉、川端康成は著作権が切れていないため、下記の書物を購入すること(電子書籍、Amazon、古書などで探すこと)。
・志賀直哉『清兵衛と瓢箪・網走まで』(新潮文庫 一九六八年九月)
・川端康成『掌の小説』(新潮文庫 一九七一年三月)
授業時間外の学修
適宜紹介する。
成績評価の方法と基準
授業への取り組み75%、学期末のレポート25%で評価する。
備  考
・対面・オンラインにかかわらず、teamsとポータルサイトを使用する。
・オンライン授業は、teamsの「〇〇年度前期日本文学史5」チームを使用し、リアルタイムで授業を行う。授業用資料(レジュメ)、授業音声はチーム内のファイルにアップロードする。
・課題は、ポータルサイトの日本文学史5の「課題提出」欄に提出すること。

担当教員の実務経験の有無
実務経験の具体的内容