シラバス情報

授業科目名
外国書講読2
開講年次
2年
開講年度学期
2022年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-CS-206L
担当教員名
林 直樹
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
(1)まずは英文の論理に慣れること。
(2)そして内容を精確に理解すること。量よりも質を重視する。
【授業の概要】
 経済学の父アダム・スミスは奴隷制を憎んだ。彼の『道徳感情論』(第五部第二章)では、黒人奴隷主のヨーロッパ人のことを、何の徳も持たないrefuse of the jails(牢獄のクズたち)と呼んだほどである。近年のBLMを筆頭に、世界各地で「普遍的人権」を揺るがせにしないための社会運動が展開されている。しかしそれは同時に、そうした人権が平気で踏みにじられる影の部分が、この世界には今なお存在している事実を私たちに突きつけてもいる。
 この授業では、abolitionismと総称される「奴隷制廃止運動」の観点からアメリカ史を含むヨーロッパ史を概観することで、現代日本も決して無縁とは限らない「擬似」奴隷制に抗いながら、すべての人にとって住みよい社会を築くための方途を探ってみようと思う。テキストには、定評のあるオックスフォード大学出版局の入門シリーズから、まさに打ってつけの主題の書物を選び出している。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 Early abolitionism: Prophets versus profits (1)【講義】
第 2回 Early abolitionism: Prophets versus profits (2)【講義】
第 3回 The rise of black abolitionism and global antislavery struggles (1)【講義】
第 4回 The rise of black abolitionism and global antislavery struggles (2)【講義】
第 5回 The time is now: The rise of immediate abolition (1)【講義】
第 6回 The time is now: The rise of immediate abolition (2)【講義】
第 7回 Mid-term test【課題】
第 8回 The abolitionist crossroads (1)【講義】
第 9回 The abolitionist crossroads (2)【講義】
第10回 The abolitionist renaissance and the coming of the Civil War (1)【講義】
第11回 The abolitionist renaissance and the coming of the Civil War (2)【講義】
第12回 American emancipations: Abolitionism in the Civil War era (1)【講義】
第13回 American emancipations: Abolitionism in the Civil War era (2)【講義】
第14回 Epilogue【講義】
第15回 Final test【課題】

形式は主に講義としていますが、少人数授業のため実質的には演習形式であり、随時発表の機会が回ってきます。
毎回の予習復習には少なくとも1時間が必要でしょう。
テキスト・参考書
Richard S. Newman, "Abolitionism: A Very Short Introduction" (Oxford University Press, 2018)
授業時間外の学修
適宜指示します。また、授業資料を配布します。
成績評価の方法と基準
授業への取り組み状況、事前準備の有無、理解度等につき総合的に判断して評価します。中間試験と最終試験を実施する予定です。
備  考
オンライン・対面を問わず、Teamsで資料を共有して進めていきます。録画も行い、オンデマンドにも対応します。毎回の予習と復習が滞りなく進められる環境は整っていますので、ぜひ意欲的に参加してもらいたいと思います。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容