シラバス情報

授業科目名
応用英語1
開講年次
2年
開講年度学期
2022年度前期
単位数
2単位
科目ナンバリング
G-FL-203L
担当教員名
光原 百合
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
総合英語1,2
次に履修が望まれる科目
応用英語2(日本文学科・美術学科)
【授業の目的と到達目標】
登場人物のセリフで構成された戯曲スタイルのテキストを講読することにより、学生が英語のセリフに込められた人物の心情を理解できるようになり、英語を生きた言語として実感できるようになることを目指します。 
【授業の概要】
テキストWitness for the Prosecutuion(『検察側の証人』) は、世界最高の人気ミステリ作家と言って過言ではないアガサ・クリスティー(Agatha Christie) による傑作戯曲です。レナードという若者が、親しくしていた裕福な婦人を、遺産目当てで殺したという容疑で裁判にかけられます。しかしレナードが、自分を深く愛していると述べる彼の妻ロメインが、裁判で、彼にとって決定的に不利な証言をします。検察側の証人とは、裁判において検察側の主張を支持する証言をする証人であり、配偶者は本来、検察側の証人にはならなくてよいことになっています。(配偶者に不利な証言を強いるのは酷だから)にもかかわらず、ロメインは進んで検察側の証人に立つ。いったいなぜ?しかも二人の言うことによれば、レナードは第二次大戦後の混乱期に、ロメインをイギリスに連れてきて安全に暮らせるようにした、いわば命の恩人と言って過言ではない。そんな彼を、ロメインはなぜ陥れるようなことをしたのだろう。物語最後にいくつかのどんでん返しが重なり、これは実に驚くべきものです。ヒロインロメインをマレーネ・ディートリッヒという名女優が演じて映画化もされています。見ておけば、授業内容も理解しやすいでしょう。日本で公開された時のタイトルがなぜか「情婦」と何やらあやしげなものになっていますが、そんな怪しさはありませんので、安心してください。授業初回に、ガイダンスとして、この作品やクリスティーについて解説します。テキストのまえがきにも、作品解説やクリスティーについての解説が書かれているので、テキストを入手したら、まえがきを読んでおくといいと思います。なお、初回のガイダンスとは別に、学期初め数回の授業を用いて、英語学習に欠かせない英文法の総復習(品詞と文の成分について)を行います。
【授業計画と授業の方法】
第1回 ガイダンス 作家アガサ・クリスティーの紹介
第2回 まえがきなど、テキスト冒頭の数ページの内容解説、脚本特有の舞台用語の説明
第3回 英文法の総復習(品詞と分の成分)と、軽視されがちな文法の重要性の解説
第4回 英文法の総復習の続き(文型について)
第5回 ここまでの英文法総復習のまとめの小テストとその解説
第6回 弁護士、Sir Willfridの事務室で、事務員たちがおしゃべりしている場面(P9-11)
第7回 裁判にかけられそうだとおびえる青年、Leonard Vole(レナード・ボウル)が事務弁護士Mayhewとともにサー・ウィルフリッドの事務所を訪れ、弁護を依頼することとなる(P12-14)
第8回 レナードが容疑をかけられている事件についての説明(P18−20)
第9回 レナードが殺したと容疑をかけられているミス・フレンチの暮らしぶりや人間関係について述べられる場面(P21-23)
第10回 ミス・フレンチの暮らしぶり(P24-26)
第11回 サーウィルフリッドの事務室を警官が訪れ、レナードは逮捕される(P27-29)
第12回 レナードへの好印象とロメインへの疑いの目(P30-32)
第13回 ミス・フレンチの遺言状(P33-35)
第14回 レナードのアリバイとロメインの怪しげな言動(P36-41)
第15回 まとめ
第16回 単位認定試験

進行のページ数は、予定通りにならない場合もあります。一度の授業で、テキストの3ページほどを読み進めることを予定しています。
授業前には、次回授業の重要ポイントをポータルに配信します。予習の手引きとしてください。
テキスト・参考書
Witness for the Prosecutuion(『検察側の証人』) 著者 アガサ・クリスティー(Agatha Christie) 英宝社
授業時間外の学修
映画「情婦」を見ておくと、テキストの理解に役立ちます。
成績評価の方法と基準
試験成績(70) 平生点(30)
備  考
予習をしっかりと。それぞれのセリフから登場人物の性格や心情を読み取れるよう、念入りに読んで下さい。
テキストの終わり近くにNotes(注)がまとめてあり、読解に非常に役立つので活用して下さい。
全面オンラインの場合、チームズの会議システムを用いたオンライン授業とします。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容