![]() 教員名 : 灰谷 謙二
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授業科目名
日本語学講義4(現代語)
開講年次
3年
開講年度学期
2022年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
J-JLG-314L
担当教員名
灰谷 謙二
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国語学(音声言語及び文章表現に関するものを含む。) この授業の基礎となる科目
日本語学講義2
次に履修が望まれる科目
現代語学専門演習ab
【授業の目的と到達目標】
ことばの多様性と価値づけについての知識を得る。多言語共存社会に起こる問題とその意味を理解する。自分の言語生活における多様なバリエーションの切り換えがどのような原理原則で行われるかを理解する。適切なコミュニケーションのあり方とはどのようなものかについて自分なりの考え方が持てる。
【授業の概要】
1年の概論で日本語研究の全体像を概観し、2年の日本語学講義2で日常の音声言語を観察しそのルールを発見する手法を学びました。日本語学講義4では、そのルールに収まりきらない多様性・バリエーションに目を向けます。方言か共通語かという以外にも私達は、性別や世代、おかれた場(友達との会話かバイト先か等)などでたくさんの言葉を使い分けています。そこにはどのようなものがあり、どのような背景で使い分けられているのか、そこにどのような価値観が横たわっているのかを知りましょう。
【授業計画と授業の方法】
第1回 社会言語学とは……ことばの多様性を研究することの意味 (講義)
・事前学修 社会言語学について言語学大辞典等ひいておく(30分) ・事後学修 トラッドギル『言語と社会』を通読する(120分) 第 2回 言語と社会……言語と方言の境界線はどう引く?(講義) ・事前学修 イギリス英語とアメリカ英語について調べる(30分) ・事後学修 トラッドギル『言語と社会』を通読する。言語とナショナリズムについて紛争地帯で起こっている言語政策について調べる(60分) 第 3回 位相論と言語変異……なぜバリエーションがうまれるか?(講義) ・事前学修 同一概念多語形の事例を調べる(30分) ・事後学修 Changes in progress の概念について調べる(60分) 第 4回 位相の具体的な姿……階層差とバリエーション「正しい言葉」って誰が決める?(講義) ・事前学修 言語の正誤についての新聞メディアの記事を探す(30分) ・事後学修 ら抜き言葉をつかう相手にどう対応するか考える(60分) 第 5回 位相の具体的な姿 性差……「女らしい言葉遣い」って誰が決める?(講義) ・事前学修 言葉遣いについて女らしくせよと言われた経験を振り返る(30分) ・事後学修 女性語が生まれる背景と実際の現象・対応について調べる。(60分) 第 6回 位相の具体的な姿 職業語……漁師の特殊な用語の世界をのぞいてみよう 潮の干満(講義) ・事前学修 潮の干満はどうして起こるか調べる(30分) ・事後学修 指定論文を精読しレポートを書く(60分) 第 7回 位相のプロトタイプ化と役割語(講義) ・事前学修 役割語とはどのようなものか調べる(30分) ・事後学修 音声についての役割語の事例を調べる(60分) 第 8回 役割語2方言を話す主人公(講義) ・事前学修 役割語研究の基本文献を読む(60分) ・事後学習 主人公が方言を話す事例を調べる。(120分 レポート) 第 9回 言語行動 ヒトのコミュニケーション行動としての言語…何が使われる?(講義) ・事前学修 朝最初にした会話を文字だけで再現する(30分) ・事後学修 指定論文通読(60分) 第10回 言語行動 場面に応じた言語行動(講義) ・事前学修 葬式と結婚式の一般的常識的な挨拶をしらべておく(30分) ・事後学修 指定論文通読(60分) 第11回 言語接触論(講義) ・事前学修 高齢者・他県出身者との言語衝突の経験を整理する(30分) ・事後学修 指定論文通読(60分) 第12回 言語接触の音声(講義) ・事前学修 本来の英語の発音と違うカタカナ外来語の例を集める。(ex:bath bus バス)今までなかったものに名前が付けられた例を探す。(30分) ・事後学修 新しい名前と古い名前の衝突について理解する。指定論文通読(60分) 第13回 言語接触の構造論 語彙・意味レベル(講義) ・事前学修 接触にかかわる語彙レベルの事例をさがす(60分) ・事後学習 関係文献の通読(60分) 第14回 多様性維持の意味(講義) ・事前学修 多様性維持・ダイバーシティという用語の範囲や使われ方についてしらべる(30分) ・事後学習 指定文献の通読(60分 第15回 総括(講義) ・事前学修 ここまでの小テストのふりかえり(60分) ・事後学習 資料整理とふりかえり(60分) テキスト・参考書
特定のテキストは指定しません。毎回パワポ資料を用意しTeamsで事前配布します。
授業時間外の学修
真田信治他『社会言語学』(おうふう)、スーザン・ロメイン『社会の中の言語』(三省堂)、トラッドギル『言語と社会』(岩波新書)
成績評価の方法と基準
授業後の毎回の小テストと期末試験(70%)提出物(20%)、授業への参与状況(10%)
備 考
対面・オンラインにかかわらず、Teamsとポータルを授業情報や課題の連絡ツールとして活用します。質問・討議等にも使います。
各回に振り返り用の小テストをFormsで実施します。復習中心で、分からなかった用語の整理をしながら身近な問題のなかで学んだことを関連付ける習慣をつけてください。 オンライン授業になった場合は、Teamsとポータルによる事前資料配布、オンタイムでのリアルタイム授業、授業はできるだけ録画でオンデマンドで見られるようにしておきます。 担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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