デザイン史

1年

2021年度後期

4.00単位

A-SF-108L

吉田　拓

単独

教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目（中学校及び高等学校　美術）
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・デザイン（映像メディア表現を含む）

西洋美術史１、２

1．近代デザインの史的展開を把握できる。
2．ヴィジュアル（映画・映像を含む）を通して、「見ること」から各時代の社会・文化的背景を理解し、かつデザインを理解することができる。
3．デザインに関する多様な見方の理解を深め、デザインと社会、そして私たちの生活との関わりについて主体的に考えることができる。

この授業では、18世紀以降におけるデザインの歴史を概観する。「デザイン」が担う役割と意味の変遷について、それが生み出される時代の社会・文化に関する考察と映像を通じて、理解を深めることを目的とする。受講者が、いま生きている世界を自らいきいきと捉え直すことができるような、デザインに関する基礎的知識を身に付けることを目指す。

第　１回　「デザイン」とは何か
　　　　　日本の現代デザイン
第　２回　産業革命とデザイン１：官立デザイン学校とロイヤル・アカデミー
　　　　　産業革命とデザイン２：ロンドン万博
　　　　　産業革命とデザイン３：とデザイン改良運動
第　３回　アーツ・アンド・クラフツ運動と世紀末芸術１：ラファエル前派
　　　　　アーツ・アンド・クラフツ運動と世紀末芸術２：ウィリアム・モリス
第　４回　アーツ・アンド・クラフツ運動と世紀末芸術３：アール・ヌーヴォー
　　　　　アーツ・アンド・クラフツ運動と世紀末芸術４：大陸における諸展開
第　５回　モダニズムの展開１：ドイツ工作連盟を中心に
　　　　　モダニズムの展開２：バウハウス
　　　　　モダニズムの展開３：バウハウス
第　６回　アール・デコ
　　　　　モダニズムの展開４：デ・ステイル
　　　　　モダニズムの展開５：ロシア・アヴァンギャルド
第　７回　アメリカのデザイン１：フランク・ロイド・ライト
第　８回　アメリカのデザイン２：インダストリアル・デザインの展開
第　９回　アメリカのデザイン３：「グッド・デザイン」
第１０回　アメリカのデザイン４：チャールズ・イームズ
第１１回　北欧におけるモダニズム
　　　　　北欧のデザイン—アルネ・ヤコブセンを中心に
第１２回　ファッションとデザイン１
　　　　　西欧とアメリカのファッション
第１３回　ファッションとデザイン２
　　　　　日本のファッション
　　　　　戦後日本におけるデザインの展開
第１４回　デザインのこれから
第１５回　まとめ

「カラー版世界デザイン史」（美術出版社）

「デザイン史を学ぶクリティカルワーズ」（フィルムアート社）
「バウハウスってなあに？」（白水社）

授業への参加度［小レポート］（50％）、期末レポート（30％）、プレゼンテーション（20％）

予習・復習のためにも『カラー版世界デザイン史』（美術出版社）を入手しておくことが好ましいが、必須ではない。適宜、必要があれば資料を配布する。何より、不明な点がある場合は、自らの足で図書館や関係各所に出向いて調べる自主性を身に着けることの方がより好ましい。

足を使わず、インターネットだけを用いて調査を済ませてしまうのは推奨できないが、自在に調査・考察できるリテラシーとテクニックを持つことは重要なことである。

また、本授業は、いわゆる一般的な授業形式と異なり、多くの映画作品/映像作品（難解な作品やドキュメンタリーを含む）の鑑賞を通して、デザインや様々なものを自分の眼で見て考え、かつ、自らの言葉による丁寧な記述を求めるため、受講者の積極的な参加が不可欠である。

〇

学芸員資格を持ち、美術館で勤務している教員による授業