日本文学講読１（上代）

2年

2021年度前期

2.00単位

J-JLT-221L

松田　聡

単独

教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目（中学校・高等学校　国語）
施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国文学（国文学史を含む。）

『万葉集』の講読を通して古代前期（上代）の歌と文化について考える。
到達目標は以下の通り。
1.日本文学の源流とも言うべき『万葉集』について自分の言葉で語れるようになる。
2.歌を「読む」ための基礎的な方法を修得する。
3.『万葉集』を通して日本古代の歌や文化のありようを理解する。
4.日本文学と中国文学の関わりについて理解する。
5.文学を学問的に研究するという姿勢を身につける。

『万葉集』がいかなる歌集かということを概観し、その後、順次作品を取り上げて講読していく。万葉の時代は律令国家の形成期とほぼ重なっているだけでなく、日本語の歴史の上でも画期をなすものである。この講義では、万葉の歌を時代順に読み進めることで、歌風の変遷を見極めると同時に、その歌がいかなる文化的背景を持っていたかということを考察する。また、変化した部分だけでなく、万葉の中で何が継承されていったのかということも問題にする。なお、上代特有の語彙・表記・語法などにも留意したい。

第　１回　万葉集とはどんな歌集か—万葉仮名、万葉集の全巻の構成、万葉集の伝来
第　２回　初期万葉—古代の帝王の歌
第　３回　相聞歌と宴歌
第　４回　額田王（１）—遊宴の花
第　５回　額田王（２）—紫野の歌
第　６回　柿本人麻呂（１）—万葉集より古い歌集はあるか
第　７回　柿本人麻呂（２）—宮廷歌人とは何か
第　８回　柿本人麻呂（４）—律令官人の旅と死
第　９回　山部赤人と高橋虫麻呂—鄙（ひな）を歌う
第１０回　大伴旅人（１）—亡き妻を悼む歌
第１１回　大伴旅人（２）—「令和」と万葉集
第１２回　山上憶良—この世の苦しみを詠む
第１３回　大伴家持（１）—家持の残した「日記」
第１４回　大伴家持（２）—家持の孤独
第１５回　総括—万葉集をどう読むか
定期試験
（進度・受講生の興味関心などによって、シラバスの内容・順番を変更する場合がある）

『訳文　万葉集』（笠間書院、森淳司(編)）

・『新版 万葉集一〜四』（角川ソフィア文庫、伊藤 博 校注）
・『万葉集（一）〜（五）』（岩波文庫、佐竹昭広ほか校注）
※このほか参考文献一覧を配付します。

受講態度（出欠を含む）・毎回のリアクションペーパーの内容（30％）、試験の成績（70％）を総合して判断します。

まずは『万葉集』に関する書物を手に取ってみてください。

有

国語科教諭（高等学校）