教員名 : 藤沢 毅
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授業科目名
日本文学講義2(近世)
開講年次
3年
開講年度学期
2020年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
J-JLT-332L
担当教員名
藤沢 毅
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(中学校・高等学校 国語) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・国文学(国文学史を含む。) この授業の基礎となる科目
日本文学講読4(近世)
次に履修が望まれる科目
卒業論文(構想・準備)
【授業の目的と到達目標】
読本、実録というジャンルを理解し、また研究の結果としての学説を吟味することによって、研究方法を考える。大衆娯楽小説的な面を持つ読本や実録を評価する方法について理解し、他者に説明できるようになること。
【授業の概要】
特に読本というジャンルの諸相を紹介しながら、特に「研究」とは何かについて講義する。複数の作品を例にとり、最新の学説を紹介し、どのような研究過程によってそれが導き出されたのか、また、その学説の問題点は何か、などを考えていく。読本は結局「商品」であるため、その企画や売り方などの面も強く意識していく。キャラクター論なども取り入れ、創作方法の考えも提示していきたい。また、読本と関係の深いジャンルとして実録をも採りあげ、読本との関係や、実録という文学そのものの特質についても考えていく。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 近世出版史と読本…書物は売るために作られる。
第 2回 都賀庭鐘作『英草紙』…白話小説との関係。典拠とは何か? 第 3回 建部綾足作『本朝水滸伝』…「水滸伝」の享受。日本人はどのように「水滸伝」を愛していったか。 第 4回 京伝と馬琴(1)…「作者名」というブランド。書肆の位置。 第 5回 京伝と馬琴(2)…『桜姫全伝曙草紙』と『四天王剿盗異録』。グロテスクな描写の効果は? 第 6回 曲亭馬琴作『椿説弓張月』…長編化ということ。 第 7回 曲亭馬琴作『南総里見八犬伝』…素藤・妙椿の譚。八犬士の魅力、八犬士の書き分け。 第 8回 曲亭馬琴作『朝夷巡島記全伝』…読者を意識したキャラクター作り。 第 9回 『朝夷巡島記全伝』に関わる鎌倉もの読本…企画出版と企画販売。 第10回 曲亭馬琴作『近世説美少年録』…蛇と鳥の相克。隠微とは何か。 第11回 栗杖亭鬼卵作『浪華侠夫伝』…「あぶない」読本。 第12回 「悪人」論…悪人キャラクターの魅力。 第13回 栗杖亭鬼卵作『絵本更科草紙』…長編化から生じた歪み。 第14回 その他の読本…書誌学的研究方法を取り入れながら。 第15回 読本の研究と評価…エンターテイメントをいかに評価するか。 テキスト・参考書
講義中に配布するプリント。
授業時間外の学修
講義中に適宜指示する。
成績評価の方法と基準
論述形式の試験による(自筆ノートと配布プリントの持ち込みを可とする)(90%)。
講義中の発言、ミニレポートなどを加点する(10%)。 備 考
講義で扱った読本を一作品でも実際に読むことが望ましい。また、同じく講義で扱った研究論文も読むことが望ましい。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容
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