シラバス情報

授業科目名
日本経済史
開講年次
2年
開講年度学期
2020年度後期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
E-EC-213L
担当教員名
森本 幾子
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
経済史
日本経済論
次に履修が望まれる科目
地域経済史
日本経済論
【授業の目的と到達目標】
本講義では、主に17世紀から19世紀後期にかけての江戸幕府による経済政策や、飢饉・災害・外圧などの危機への対応を紹介することによって、現代の経済的諸問題についての歴史的考察を行い、それら諸問題に対して自分なりの意見を持つことができるようになることが目的である。
【授業の概要】
本講義は、日本近世の経済発展とその諸要因について理解することが主な目的である。その歴史的変遷を理解するため、講義では主に17世紀から19世紀における経済発展と、それに対する江戸幕府の経済諸政策との関係を中心に学ぶ。そのなかで、とくに現在の問題と密接につながる商業の発展、貨幣の問題、為替取組による信用システムの確立、先物取引の公認、地方の発展等を取り上げて紹介する。また、日本近世は、多くの災害が発生しており、幕府や藩による災害対応や今後の備えに対する地域的取組みについても、当時の経済状況と関連付けながら学ぶ。さらに、幕末の開国がもたらした日本経済への影響と、巨額の資金が必要な対外貿易への日本商人の対応の在り方について、その後の日本の資本主義形成への過程を展望しながら考察する。
【授業計画と授業の方法】
第1回 経済指標からみた日本近世社会 
第2回 近世の経済循環構造 −海運による流通ネットワークの発展−
第3回 「鎖国」の意味と国内経済への影響
第4回  村に生きた人々−農村の結婚・離婚・出生力−
第5回 貨幣と物価 −三貨制度の確立−
第6回 実質貨幣から名目貨幣への転換 −元禄の貨幣改鋳の意義−
第7回 商人の成長 −三井家・住友家を事例として−
第8回 享保期の経済政策 −米価の下落とその対応−
第9回 田沼政権期の「商業革命」
第10回 多発する自然災害・飢饉への対応第
第11回 対外危機への対応 −ロシアとの関係−
第12回 畿内における「国訴」と「大塩の乱」
第13回 天保期の経済政策 −株仲間解散令と物価引下げ−
第14回 開国と幕末貿易の影響 −外圧への日本商人の対応−
第15回 幕藩体制の崩壊と明治維新への展望
テキスト・参考書
毎回講義プリントを配る。
授業時間外の学修
鬼頭宏『日本の歴史19 文明としての江戸システム』(講談社、2002年)、浜野潔ほか編著『日本経済史 1600−2000 歴史に読む現代』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『岩波講座 日本経済の歴史 第2巻近世 16世紀末から19世紀前半』(岩波書店、2017年)など
成績評価の方法と基準
後期認定試験(80%)、コメント用紙(20%)によって評価する。
備  考
1.毎回配布資料かパワーポイントのいずれかを使用して講義形式で進める。
2.講義プリントをよく読み、予習・復習を行うこと。
3.15回の講義のうち、何度かコメント用紙(200字以上)を記入し、提出する。
4.板書や画面内容の写真撮影は認めていない。

担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容