シラバス情報

授業科目名
地域経済史
開講年次
3年
開講年度学期
2020年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
E-EC-303L
担当教員名
森本 幾子
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
経済史,日本経済史
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
大学生活を送る身近な地域の経済史を学ぶことによって、自らの出身地や他地域への関心を深めるとともに、今後の地域経済の在り方について、自分なりの意見を持つようになることが講義の目標である。
【授業の概要】
現在、地方の政治・経済を見直すことへの関心が高まっている。本講義では主に、近世期(江戸時代)の瀬戸内地域を対象に、とくに商人と地域経済の関係についての歴史的な考察を行う。具体的には、瀬戸内地域と他地域との主要商品の取引形態、商人の資金で組織された融資機関の機能などを具体的な歴史史料を読むことによって理解を深める。また、このような瀬戸内地域経済の発展にともなって公認された遊廓と、そこで働く女性たちの労働形態や労働環境についても紹介し、経済発展との関係について考察する。さらに、宮島(広島県)・金刀比羅宮(香川県)など、海運業の発達にともなう信仰の広まりや観光化が推進された地域の歴史的特質や、経済的に停滞した時期の尾道における地域活性化策・瀬戸内地域各所に残る自然災害への教訓など、現在の問題と密接に関わる内容についても紹介する。
【授業計画と授業の方法】
第1回 瀬戸内地域経済の特質−近世期の経済発展と人口増加−
第2回 日本の北方地域と瀬戸内経済 −アイヌ社会と瀬戸内経済−
第3回 仕切状を読む① −尾道商人と北前船の商取引
第4回 仕切状を読む② −尾道商人と北前船の商取引
第5回 仕切状を読む③ −備後国鞆浦商人と北前船の取引
第6回 尾道における魚取引の特質 −鯛取引を通して−
第7回 尾道における融資機関の設立と地域経済 −「問屋座会所」の機能−
第8回  復習
第9回 瀬戸内海の遊女と地域経済① −御手洗湊の遊女の営業形態−
第10回 瀬戸内海の遊女と地域経済②−遊女たちの労働環境−
第11回 地域経済活性化と来訪者の力−尾道を訪れた全国の行商・芸能者たち− 
第12回 観光業の発達と地域経済−観光地としての宮島の発展−
第13回 瀬戸内における商品流通の発達と海難事故−経済発展と金毘羅信仰−
第14回 自然災害と地域経済
第15回 総括
テキスト・参考書
必要に応じて講義プリントを配る。
授業時間外の学修
講義中に適宜紹介する。
成績評価の方法と基準
前期認定試験(80%)、コメント用紙(20%)によって評価する。
備  考
1.毎回配布資料かパワーポイントのいずれかを使用して講義形式で進める。
2.講義プリントをよく読み、予習・復習を行うこと。
3.15回の講義のうち、何度かコメント用紙(200字以上)を記入し、提出する。
4.板書や画面内容の写真撮影は認めていない。
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容