シラバス情報

授業科目名
世界歴史の流れ
開講年次
1年
開講年度学期
2020年度前期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
G-SS-111L
担当教員名
阿部 純
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
自明のものとして捉えられがちな、わたしたちの「歴史」がどのような記憶メディアによって支えられ、つくられ、継承されてきたのかについて考えるための視座を獲得し、具体的に説明できるようになること。
【授業の概要】
 古来、わたしたち人間は自分たちの記憶を何らかのメディアを要して外化することで、歴史につながる情報を保持し、後世の人々に影響を与えてきた。あるときは先人の教えを口頭で伝承し、あるときは石に彫り付け、印刷技術の発展とともにその記憶伝播の範囲はさらに広がり、サイバースペースにいたっては次々に新しい記憶のデータベースがつくられ、物語化(=歴史化)されることから逃れるかのようである。記憶装置としてのメディアの様態が、歴史に関わる情報の様式を決めてきたと言っても過言ではない。この授業では、世界の歴史を考えていく上で有用な観点と考えられるメディア論の視座を土台にし、墓をはじめとするヒトの記憶を宿すあらゆる記憶メディアの特性と、それらがもたらすものについて概観しながら、メディアの様態と記憶表象の関係、しいては歴史のつくられ方について考えていく。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 イントロダクション—「不滅」の記憶は可能なのか
第 2回 災害と記憶メディア
・事前学習:震災時の自身のメディア環境について文章化してくること。

第 3回 『想像の共同体』とメディア論
・事前学習:配布したテキストを読み込み、わからない単語をできる限り調べておくこと。

第 4回 集合的記憶とメディア1—映画『羅生門』から考える
・事前学習:第3回の内容を復習してくること。

第 5回 集合的記憶とメディア2—忘却と想起と再興
・事前学習:配布したテキストを読み込み、わからない単語をできる限り調べておくこと。

第 6回 世界の巨石文化
・事前学習:第4回、第5回の内容を復習してくること。

第 7回 メディアとしての墓—世界各地の墓の形状、墓参習慣から考える
・事前学習:配布したテキストを読み、今回の内容の概略をつかんでくること。

第 8回 ヒトが神になる国—神社にまつわるメディア論
・事前学習:前回の復習を通して、発表に関する下調べを進めておくこと。

第 9回 ミュージアムとミュージアム化する都市
・事前学習:前回の復習を通して、発表に関する下調べを進めておくこと。

第10回 もう一つの「語り部」—演劇的手法を用いた現代歴史学
・事前学習:前回の復習を通して、発表に関する下調べを進めておくこと。

第11回 ライフログと「墓」的なるもの
・事前学習:前回の復習を通して、発表に関する下調べを進めておくこと。

第12回 グループ演習1:身近なメディアとわたしたちの記憶の関係を探る
・事前学習:発表準備を進めておくこと。

第13回 グループ演習2:発表準備
・事前学習:発表に必要な資料を参照できる形にしてくること。

第14回 グループ演習3:発表
・事前学習:発表準備を完了させること。

第15回 まとめ—改めて、「不滅」の記憶とは
・事前学習:講義全体を復習し、わからなかった箇所をリストアップしてくること。
テキスト・参考書
授業時に必要に応じてプリントを配布します。
授業時間外の学修
ベネディクト・アンダーソン著、白石隆・白石さや訳、『定本 想像の共同体—ナショナリズムの起源と流行』(書籍工房早山、2007)
アライダ・アスマン著、安川晴基訳、『想起の空間—文化的記憶の形態と変遷』(水声社、2007)など
成績評価の方法と基準
毎回の授業におけるコメントシート(20)、授業内発表(30)、期末試験成績(50)
備  考
ポータルサイトから次の回で使用する授業資料を提示することがあります。授業前にこれらの資料を一読し、授業時に参照可能な状況(紙でも電子でも可)にすることを受講生の皆さんにお願いしています。資料内の単語は自身で調べておくようにしてください。

科目コード:G-社-1-11-L
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容