シラバス情報

授業科目名
社会保障
開講年次
3年
開講年度学期
2019年度後期
単位数
2単位
科目ナンバリング
E-EC-306L
担当教員名
髙間 沙織
担当形態
単独
【科目の位置付け】
この授業の基礎となる科目
社会保障入門
社会政策
次に履修が望まれる科目
【授業の目的と到達目標】
[テーマ]
福祉国家の歴史と展開、危機を理解し、これからの社会保障政策を考える
[到達目標]
1.国や地域、時代によって人々を支える仕組み、支え合う仕組みに違いがあることを把握すること
2.授業をふまえて社会で生じるさまざまな現象について自分なりに問題意識を深めていくこと
【授業の概要】
私たちは、病気になれば病院にかかり、所得が不安定になれば福祉の援助を受け、障害や老齢によって年金を受け取ることができます。しかし、医療や福祉、年金など、人々の生活を保障する各種制度を国家が整備するというのは、実は当たり前のことではありません。
この授業の目的は、そうした当たり前でないことを実施する国家=「福祉国家」が、日本を含む戦後の先進諸外国でどのように成立・展開してきたのか、そして近年どう変容しているかについて、基礎的な流れを把握していくことです。
そのために、この授業は以下の四部構成を予定しています。
第一部では、戦後の先進諸外国で、人々の生存権(ナショナル・ミニマム)を保障する福祉国家が登場した背景や、その内実、そして1980年代以降の福祉国家の危機について概観します。
第二部では、そうした世界的な福祉国家の潮流のなかで、戦後日本はどのような福祉国家及び社会保障を展開してきたのかを把握していきます。
第三部は各論となっており、子ども、女性、障害者、高齢者などがどのような困難を抱え、それに対して戦後日本型福祉国家がどのような社会保障を講じてきたのか、そこにはどのような課題があるのかについて議論を提供していきます。
最後に第四部では、第三部で提示した課題を受けて、近年、日本型の福祉国家や日本型福祉国家の社会保障がどのように変容しつつあるのかを展望していきます。
各回の授業では、社会保障の課題やその在り方について受講生とともに議論する機会を設けます。私たちの社会の支え合う仕組みに関心を向け、じっくりと考えていきましょう。
【授業計画と授業の方法】
第1回  イントロダクション:社会保障の歴史・原理・体系

<第一部>
第2回  福祉国家論(1):福祉国家の形成
第3回  福祉国家論(2):福祉国家の展開
第4回  福祉国家論(3):福祉国家の危機

<第二部>
第5回  日本の社会保障(1):戦前・戦後の社会保障
第6回  日本の社会保障(2):1980年代以降の社会保障
第7回  日本の社会保障(3):今日の日本の社会保障制度

<第三部>
第8回  各論(1):貧困
第9回  各論(2):子ども
第10回  各論(3):女性
第11回  各論(4):障害
第12回  各論(5):高齢者

<第四部>
第13回  これからの社会保障(1):ソーシャルワーク
第14回  これからの社会保障(2):地域包括ケアシステム
第15回  授業のまとめ
テキスト・参考書
テキストは特に指定しません。
授業時間外の学修
以下の文献のほか、授業で必要に応じて紹介していきます。
平岡公一、杉野昭博、所道彦、鎮目真人(2011)『社会福祉学』有斐閣
成績評価の方法と基準
授業への参加点(20%)、小テスト(30%)、期末試験(50%)により評価します。
各回の授業では、社会保障に関連するさまざまな論点について議論する時間を設けます。
発言者には出席点とは別に参加点が加算されます。
備  考
担当教員の実務経験の有無
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実務経験の具体的内容