教員名 : 田中 三樹
|
授業科目名
日本企業論
開講年次
3年
開講年度学期
2019年度後期
単位数
2.00単位
科目ナンバリング
E-MN-310L
担当教員名
田中 三樹
担当形態
単独
【科目の位置付け】
教員の免許状取得のための選択科目
科目区分・・・教科及び教科の指導法に関する科目(高等学校 商業) 施行規則に定める科目区分又は事項等・・・商業の関係科目 この授業の基礎となる科目
経営学入門、経営戦略論、経営学総論
次に履修が望まれる科目
経営組織論、日本経済論
【授業の目的と到達目標】
最も重要なことは、日本型経営システムといわれる主要論点を理解すること。そして、それがどのようにして成立することになったのかについて、とりわけ上記目的・概要の(4)〜(6)について歴史的に確認すること。
【授業の概要】
1945年の敗戦後、日本は短期間に世界第2位のGDPを達成するという驚異的な経済成長を遂げ、1980年頃にはジャパン・アズ・ナンバーワンあるいはルックイーストとして海外からも注目されました。こういった成果を残すほど経済運営がうまくいったのはなぜでしょうか。その重要な要因の一つは、日本企業が戦後つくりあげてきた組織運営の仕組みであったと考えられます。日本企業論では、その運営の仕組み全体を「日本型経営システム」(日本的経営ともいわれる)と呼ぶことにします。その内容は、モノ・カネ・ヒトという経営資源の管理・運営、及びコーポレート・ガバナンスに関わります。前者については、(1)モノの取引における中間組織の機能、(2)カネの調達とメインバンクの役割、そして(3)ヒト資源の長期雇用と年功制についてです。また、後者では、(4)「所有と支配の分離」の問題として、法人である株式会社の株式所有構造と安定株主の意義、(5)トップ・マネジメントのあり方(経営構造)、とりわけ専門経営者の進出とその役割、(6)会社の最重要プレーヤーである経営者を誰がどのように牽制しているのか、の6つの論点です。本講義では、現在大きな転換期の渦中にある日本型経営システムを理解するために、上述の各論点を日米企業の比較という視点を重視して検討するとともに、人間の合理的行為である経営事象が環境(経済)や歴史(時代と文化)の絡み合いの中で誕生し、洗練され、できあがり(制度)、また変容していくプロセスを重視することも目的の一つです。
【授業計画と授業の方法】
第 1回 日本企業論:何をどのように取り上げるのか
第 2回 現代企業と会社の法人格 第 3回 市場と企業:取引の場の仕組みと条件 第 4回 日本型経営システム(1)モノ:企業間関係—中間組織の仕組みと機能 第 5回 (2)カネ:資金調達とメインバンク制 第 6回 (3)ヒト−1:終身雇用と年功制 第 7回 (4)ヒト−2:競争と昇進、及び熟練形成 第 8回 (5)ガバナンス−1:所有と支配の分離—株式所有構造と安定株主の意義 第 9回 (6)ガバナンス−2:トップ・マネジメント(経営構造) 第10回 (7)ガバナンス−3:会社の目標とガバナンス構造 第11回 日本型経営システムの戦後史(1):財閥解体とその意義 第12回 (2):新経営陣の登場と専門経営者の制覇—経営権の確保 第13回 (3):企業集団の成立と株式相互持ち合いの始まり—安定株主工作 第14回 (4):安定株主工作の完成 第15回 再論:日本型経営システム—1990年代〜—株主重視とM&A テキスト・参考書
使用しません。講義内容の各主題ごとに資料を配布します。
授業時間外の学修
橋本ほか『現代日本経済』(第3版)有斐閣、2011。高橋伸夫『経営の再生 第4版』有斐閣、2016。
新原浩朗『日本の優秀企業研究』日経ビジネス人文庫、2006。 成績評価の方法と基準
試験結果(80%)に授業への取り組み状況(最大20%)を加味して評価します。講義を4回以上休んだ場合は受験できません。
備 考
ノートを確実にとり、復習に重点をおき、日本型経営システムの主要論点を理解する。
担当教員の実務経験の有無
×
実務経験の具体的内容
|