基礎演習１

1年

2019年度前期

2.00単位

E-CS-101S

林　直樹

単独

（１）テキストを読みこなし、内容を的確に要約できるようになるとともに、問題を自ら発見できるようになる。
（２）プレゼンテーションやディスカッションに必要な諸技能を習得する。

　2018年のベストセラー書として注目を集めたのは、漫画版の吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』であった。原作は1937年、『日本少国民文庫』の最終巻として日中戦争開戦の年に出版されている。暗雲ただよう時代、少年少女にだけは自由な思考の場を提供したいという著者の望みとともに世に送り出されたこの本が、21世紀のいま、再び読者を増やしている。
　この授業では、『君たちはどう生きるか』の原作を時代背景にも注意しながらひも解き、ディスカッションを重ねることで、原作の出版から80年以上を経たいま、改めて私たちはどう生きるか、という問いに対する答えを探ってみたい。

第　１回　ガイダンス
第　２回　へんな経験〜ものの見方について
第　３回　勇ましき友〜真実の経験について
第　４回　ディスカッション（１）
第　５回　ニュートンの林檎と粉ミルク〜人間の結びつきについて
第　６回　貧しき友〜人間であるからには
第　７回　ナポレオンと四人の少年〜偉大な人間とはどんな人か
第　８回　ディスカッション（２）
第　９回　雪の日の出来事
第１０回　石段の思い出
第１１回　人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて
第１２回　凱旋
第１３回　水仙の芽とガンダーラの仏像
第１４回　春の朝
第１５回　最終プレゼンテーション

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫（1982年）

毎回の授業に対する準備、参加意欲、発言の積極性等を総合的に判断して評価する。

ディスカッションやプレゼンテーションの場では、単なる「レポート」（状況報告）にならないように、論点や疑問点を意識的に提示すること。

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